2007年 12月 24日
昨夜,午後7時30分ころ,突然に打ち上げ花火の音がしました。昨夜は寒くはありませんでしたから,廊下に出てしばらく見ていました。短い時間でした。 冬の花火,思い出すのは太宰治の「冬の花火」です。太宰としては珍しい戯曲でした。確か「春の枯れ葉」と対であったように思います。 読んだのは学生時代の頃のことですから,内容はほとんど忘れていますが,「冬の花火」は線香花火だったように思います。 夏の夜に,家族がそろって浴衣なんかを着て,線香花火を囲むのはとても素敵なんだけれど,もう,そんな時代は来ない,日本は戦争に負けたのではない,滅んでしまったのだ,と主人公が言っていたように思います。「人間失格」に代表される太宰の下降イメージはこの作品から始まったとされています。 ところで,昨夜の花火は「2007 光の祭典」と名付けられたこの町のイベントのフィナーレでした。主催はこの町ですが,主管は商工会青年部を中心とした実行委員会です。昨日の記事のイルミネーションは「光の祭典」(1月12日まで)でした。 ひとつの町おこしなのでしょうか。「アンパンマンショウ」もあったようです。しか,「冬の花火」ねえ,なんとなく健気な感じもしますが,どこかむなしさが残るのはなぜでしょうか。
by gakis-room
| 2007-12-24 16:27
| つれづれに
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Comments(10)
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高麗山
at 2007-12-24 21:59
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“健気”好きな言葉なんだけど、商工会も必死のバッチなのでしょうネ。 私の思考では、冬空の花火は少しばかり痛いたしすぎました!
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gakis-room at 2007-12-25 06:41
高麗山さん,
一昨日は暖かかったから,野外コンサートもショウも完全な空振りには終わらなかったようです。もし,北風が強ければ,駅前広場にどれだけの人が集まったでしょうか。そして,人がほとんどいない所での冬の花火,企画力の問題かも知れません。
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saheizi-inokori at 2007-12-25 11:57
「冬の花火」、薄暗い家の縁側だったでしょうか。思い出せないなあ。
「風鈴さんは秋になると可哀そう」亡き父がよく酔っ払って口ずさんでいました。
270チャンネルで、ドラマ「太宰治」を観ました。破滅型の人生に冬の花火は似合っている、と感じました。
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next-kazemachi at 2007-12-25 16:11
おへそが曲がっているので、季節外れの花火は嫌いじゃありません。
夏の夜の縁側の線香花火は、すぐに玉が落ちても淋しくはないけれど、冬の打ち上げ花火は、どんなに華麗な大玉が炸裂してもやはり淋しい。 その淋しさ、虚しさこそが、本当は花火の持ち味なのだと思ったりもします。
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gakis-room at 2007-12-25 17:17
saheiziさん,
自信はありませんが,花火は部屋の中での火鉢の上だったように思います。 「秋の風鈴」ねえ,季節はずれと言うよりも,取り残された,ないしは自分の場所を失ったという感じがします。お父上は詩人ですね。
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gakis-room at 2007-12-25 17:31
YUKIさん,
多くの作家が戦争の時局に沈んでいくときに,太宰は時局と関係なく「明るい」作品を多く書いています。その中の代表作が「走れメロス」です。私が太宰を読むきっかけとなった「女生徒」も同時期です。そして,その傾向は「冬の花火」から一転して,下降していったとされています。私は「明るい」作品の太宰が好きでした。
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gakis-room at 2007-12-25 17:38
next-kazemachiさん,
花火自体が「淋しさ,虚しさ」であれば,季節はまさしく冬かもしれませんね。誰もいないマンションの6階の廊下から見ていたのですが,夏の花火とちがって,ただ息を殺して見ていました。
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maron415 at 2007-12-25 22:28
商工会さんがんばっていますね。
こちらでは、商工会も合併のえじきにあい、 たぶん、補助金も削減されているのではないかと思います。 (会員が減ったというのもあるのですがね…) 冬の方がお天気がいいと空気がすんでいるから、花火もきれいなのかな?
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gakis-room at 2007-12-26 06:39
maron415さん,
商工会青年部,それなりにがんばっています。夏にも祭りの企画をやっていますから。 冬の花火,確かにきれいですが,数分とありませんでしたから,よかったのですが,見る方も防寒が大変です。 |
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