2006年 08月 14日
千鳥ヶ淵戦没者墓苑には現在35万余の遺骨が埋葬されています。千鳥ヶ淵戦没者墓苑は無名戦士の墓と言われるように,35万余はすべて氏名不詳です。千鳥ヶ淵戦没者墓苑は1959年3月の竣工し,「拝礼式」が執り行われました。 千鳥ヶ淵戦没者墓苑へは私はまだ行ったことがありませんから,どのように埋葬されているのかは知りません。遺骨の収集された場所別に35万余の墓碑が建てられているのでしょうか。靖国神社の場合は213万余の神々として祀られているのはではなく,全体で一柱の神ですから,ここでも合葬されているのでしょうか。 この35万余の遺骨が氏名不詳であっても,遺骨とは無関係に靖国神社は当時の厚生省から受け取った戦死者名簿によって,しかも遺骨が埋葬される1959年以前に,勝手に霊魂を招魂し,神として祀ってしまっていたのでしょうか。霊魂が存在するものとして,千鳥ヶ淵の35万余の霊魂は千鳥ヶ淵と靖国神社のどちらにあるのでしょうか。 靖国神社によれば,「大東亜戦争」(太平洋戦争)による「英霊」は213万3915柱です。千鳥ヶ淵戦没者墓苑に埋葬されている者は35万1324です。これは靖国神社の「英霊」の16.5%にあたります。 「平和を祈念し,戦争に殉じたものを追悼するために靖国神社に参拝する」と人が言うとき,その宗教心に虚偽を感ずるのは,昨日に書いたことに加えて,多くの場合,千鳥ヶ淵戦没者墓苑が忘れられているからです。もとより,その人が自らの親族に関わる墓から「英霊」とされた死者を抜き出しているのであれば話は別です。 それとも,菅原道真の怨霊を鎮めるために北野天満宮が造られたように,靖国神社参拝は,戦争で無念の死を余儀なくされた怨霊,とりわけA級戦犯とされた者の怨霊が暴れることのないように封じ込めるために,とでも言うのでしょうか。
by gakis-room
| 2006-08-14 19:26
| つれづれに
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