2006年 08月 02日
7月25日の記事,「ピョンヤンから来た国宝たち」にいただいた高麗山さんのコメントから,「澗松美術館(カンソンミスルグァン)」について調べてみました。 「カンソン美術館」はソウル市城北区にありました。この美術館は,故澗松(カンソン)チョン・ヒョンピルが1938年に設立した韓国最初の近代式民間博物館が前身だそうです。 チョン・ヒョンピルは1929年頃から高麗青磁・朝鮮白磁・絵画・書・漢文書籍・仏像・石塔・地図などの収集を始め,1938年に現在の美術館の建物である保華閣(ポファガク)を建ててどんどん増えていく所蔵品を保します。 1966年,全財産をつぎ込んで一生をかけて集めた収集品をもとに,韓国民俗美術研究所付属美術館として澗松美術館が設立されました。 しかし,民間のものといえ,訓民正音解例本(国宝第70号)をはじめとして,青磁麒麟形香炉(国宝第5号),青磁鴨形硯滴(国宝第74号),青磁嵌葡萄童子文梅瓶(宝物第286号),青磁象嵌牧丹唐草文母子盒(宝物第359号)韓国の国宝およびポムル(宝物・日本で言う国宝と重要文化財の間あたる)級の文化財を多数,所蔵しています。 私は「個人的には,私の好きな朝鮮王朝時代の風俗画の達人,申潤福の風俗画ではない『松鷹図』がおもしろいと思いました」と書きましたが,申潤福(シン・ユンプク)は妓生(キーセン)を題材にした風俗画を得意にしました。 手元にある「韓国の美⑲ 風俗画」(中央日報社)には,申潤福の風俗画が11点収められています。そのうち10点までが「カンソン美術館蔵」となっています。 しかし,残念なことに,カンソン美術館では一般公開をしていませんでした。ただ,年に2回,5月と10月の2日だけ,例外的に所蔵文化財を一般に公開するのだそうです。悩ましきことこの上ない,とはこのようなことを言うのでしょうか。
by gakis-room
| 2006-08-02 14:30
| 韓国あれこれ
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Comments(2)
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高麗山
at 2006-08-02 18:51
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コメントや、私的なメールにまで、懇切丁寧なご回答を戴き、誠に有難うございました。
”申潤福”の字に惑わされて、”潤福美術館”と思い込んだのが、間違いの一つ、ただパンフに記載されていたのはには、どう見ても、”潤福”としか読めないのも在りました。 制限が在るようですが、”両班の遊興図”や”妓生の妖艶図”を是非、観たい気持ちになりました。
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gakis-room at 2006-08-03 11:58
「澗」と「潤」の誤植たったのですね。私も俄然,行ってみたくなりました。知人に教えてもらったのですが,2004年にオープンした「サムソン美術館”リウム”」もすごいらしいです。サムソン財閥がつくったものです。こちらは予約制です。
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