2006年 07月 03日
明日,広島地裁で外国人による「広島の小1女子殺害事件」についての判決があります。はたして求刑通りの死刑判決がでるのかどうかが注目されています。 注目の理由は,何とも腑に落ちない話ですが,3人殺害=死刑がこれまでの多くの判決例だそうで,広島地裁がそれを越えた判断をするのかどうか,ということのようです。 この事件は特異な事件でした。特異なのは事件の内容ではなく,検察の論告求刑を報じるマスコミの報道の仕方に父親が異議を申し立てをしたことでした。 父親は,マスコミ報道のいう「広島の小1女子殺害」に対して,単なる「殺害」ではなく「性的暴行後の殺害である」こと,抽象的な「広島の小1女子」ではなく現実に生をはぐくんでいた者としての本名をともに報道するように強く求めたからです。 この父親の要求に対して,マスコミは実名報道に転じますが,マスコミが成人を含めた実名報道に対してどのような基準をもっていのかを私は知りません。 マスコミは,秋田県の幼児殺害事件,奈良県の母子放火殺害事件については,およそ事件の本質とは関係のないプライバシーを暴き立ててきました。 そんな折りに,「匿名報道の記録 あるローカル新聞社の試み」という本に出会いました。著者の斉間 満氏は愛媛県八幡浜市で地方紙「南海日日新聞」を主宰しています。「南海日日新聞」は20年前から全国でただ一社「匿名報道」を実践してきたそうです。私には新鮮な驚きでした。 同紙の編集方針は ①原則として,犯罪報道やそれに類すると思われる事件,ニュースは匿名とする。 ②公権力の犯罪,これに類するかと思われる事件,ニュースは実名とする。 などの原則を明らかにしています。 知る権利とプライバシー,あるいは「有罪が確定するまでは犯罪者ではない」という近代法の原則と報道のあり方,私には大きすぎる課題のようです,しかし,深刻な課題です。 「南海日日新聞」については下記のホームページに編集方針の詳細が明らかにされています。 http://www.hime.ne.jp/~nankai/ 出版元の「創風社出版」のアドレスは以下の通りです。 http://www.soufusha.jp/
by gakis-room
| 2006-07-03 19:10
| つれづれに
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