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2019年 05月 18日
丸山穂高議員への辞職勧告決議案提出の怖さ
丸山穂高議員への辞職勧告決議案提出の怖さ_d0006690_16502224.png日本維新の会所属の丸山穂高議員への「辞職勧告決議案」が提出されました。決議案の全文は不明ですが,新聞などからは主要な論拠は以下のようです。

①わが国の国是である平和主義に反し,
②国際問題にも発展しかねない可能性もあり,
③国益を大きく損ねる暴言だ。
④国会全体の権威と品位を著しく損ねる暴言だ。
⑤国会全体の権威と品位を著しく汚したという事実は拭いがたく,
直ちに議員の職を辞するべきだ。

こうした主旨を見ると,真反対の主張ができるほど,曖昧な概念をよくもまあ連ねたものだと思ってしまいます。所属先の日本維新の会が除名し,辞職を求めるのは政党としての責任の取り方かと思いますが,他の5党派には「?」です。

①について
 「戦争賛成」あるいは「武力行使賛成」を言外に匂わせてきた発言は多々あります。たとえば「尖閣諸島が武力侵略されても,武力奪還はせず,侵略者を非難するだけで,話し合いで解決する」との考えを「平和ボケ」とする諸氏は国会の内外に少なくはありますまい。

②,③について
 「発展しかねない」,「可能性もあり」とは二重の仮定です。その二重の仮定を前提に,いかようにも主張できる「『国益』を大きく損ねる」とは。
 単に発言だけではく,実際に自衛隊をイラクに派遣したことは国益に叶っていたのでしょうか。論点がわかれるところです。「平和主義の国是と国益に反する」との考えから当時の小泉首相に議員辞職勧告をしたとすれば笑いにもなりません。

④,⑤について
 丸山議員は「小物」ではないかも知れませんが,わが国と国会を代表する超大物議員ではありますまい。精神科医の和田秀樹氏によると丸山議員の発言は「突発性バカ」によるんだそうです。果たしてそうなのかどうかは私には不明ですが,この国の外交は彼の発言ごときで左右されるほどのヤワなのだとは思われません。

それにしても,禁錮以上の罪(が確定した時,公職選挙法99条により被選挙権を失い,国会法109条によって国会議員を失職する)となる可能性を犯したのならともかく,一つの発言に対してこのような抽象的で曖昧な理由で「議員の辞職勧告」をするとは,「国会の権威と品位」を今以上に下げることになりはしないかと思ってしまいます。

それよりも気がかりなのは,このように「辞職勧告」論理が国会の多数はによって実行される時のソラ恐ろしさです。


by gakis-room | 2019-05-18 18:00 | つれづれに | Comments(0)


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