2019年 03月 06日
「元号には,過去から現在にいたるまで理想の世の中を漢字2文字に託した人々の願い込められている」とは昨日引用した産経新聞の「元号ファースト」ですが,元号はその決定にかかわった天皇,貴族を含む時の権力者の願いかも知れませんが,庶民には押しつけられたもので,その生活にはほとんど無関係のことだったのではないでしようか。 また,元号は「時代の区切り」とも言われますが,これは明治以降のことでしかありません。 それは,明治以前は何かがあれば改元していましたが,明治以降は「一世一元の制」となり,それ故に,明治,昭和,平成は元号の中でも長期を代表するものになっています。 日本最初の元号は645年の「大化」ですが,元号のなかった47年間(654年ー686年,686年ー701年)を除いて,改元される2019年までの1328年間に247の元号がありました。一つの元号の平均は5.4年です。これでは理想の世の中への願いも時代の区切りにもなりません。 昨年のNHKの大河ドラマは「西郷どん」でした。西郷は1828年1月23日に生まれで1877年9月24日に49歳でなくなっています。元号では言えば文政10年生まれ,明治10年没です。その後の彼の生きた時代の元号です。 文政(13)→天保(15)→弘化(5)→嘉永(7)→安静(7)→万延(2)→文久(4)→元治(2)→慶応(4)→ 明治(45) ※( )内は期間,改元年を含みます。 彼はどのように元号を意識したのでしょうか,聞いてみたくなります。 元号は645年以前の事柄には無力です。また,遠い過去だけでなく,それほど遠くない過去に対しても煩わしさが先立ち,歴史のイメージ形成を妨げます。 先の大戦での日本の敗戦は昭和20年です。それは何年前のことなのか,今年の8月に数えてみます。 1+平成30+(昭和64−20)=74 また,昨年は「明治150年」なんて言われたりもしましたが,日露戦争は明治37年2月8日に始められました。それは何年前ことか,数えてみます。 1+平成30+昭和63+大正14+(明治44−37)=115 西暦では簡単です。日本の敗戦は 2019−1945=74,日露戦争の開始は 2019−1904=115 私が昭和の生まれであることを忘れることはありませんが,しかし,元号は時間の流れ,つまり連続性の中では全くの無力です。
by gakis-room
| 2019-03-06 18:00
| つれづれに
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Comments(4)
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saheizi-inokori at 2019-03-06 23:02
毎年、西暦と元号の関係をやっと覚えていろんな書類に記入できるようになると正月になつて、目下しょっちゅうまごついています。周りを見渡せば似たり寄ったりの老人ばかり、老人に優しい政治をお願いしたいものです。
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gakis-room at 2019-03-07 07:08
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高麗山
at 2019-03-07 10:09
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私は四月生まれで、免許の更新がこの時期です。
先ず、認知症検査を受けますが、最初に出てくるのが、今日は何年何月何日ですか?です。教習所での検査が満員で五月にずれ込みます。西暦だけを認知しておきます!
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gakis-room at 2019-03-07 11:50
高麗山さん,
きょうの年月日は西暦,元号のどちらで答えてもいいのでしょうね。 |
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