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2012年 08月 15日
気になる言葉,「誠意ある謝罪」
「必要な慰労は何か」「奇怪な補償ではなく」「誠意ある謝罪を受けることが最も重要だった」

これは8月4日の韓国紙,中央日報(日本語・電子版)の記事「<五輪>「銀メダル出せ」大韓体育会の恥さらし」です。記事の背景は以下の通りです。

7月30日のフェンシング女子エペ準決勝で韓国のシン・アラム選手は誤審(正確にはタイムキーパーのミス)によって決勝進出がなりませんでした。シン・アラム選手は誤審による敗戦の口惜しさのために1時間以上もピスト(細長い演台)から去ることが出来ませんでした。この誤審に対して大韓体育会はIOCに対してシン・アラム選手に「共同銀メダル」の授与を要請し,IOCはこれを拒否します。

代わって,大韓体育会は「(競技を所管する)国際フェンシング連盟(FIE)から判定に誤りがあったという話を聞いて謝罪を受けた。FIEがシン・アラムのために記念メダルを授与するというので、これを受けて終わらせよう」としました。しかし,シン・アラム選手は「それ(特別賞)は五輪のメダルではないため、私の心は慰められない」これを拒否しました。

中央日報の記事は大韓体育会のこの一連の所作を批判して,以下のように記事を結んでいます。

体育会が引き出さなければならないのは、「共同銀メダル」のような奇怪な補償ではなかった。FIEから誠意ある謝罪を受けることが最も重要だった。本当にシン・アラムの立場で考えるなら、体育会が管理するオリンピック年金などで銀メダリストとして待遇するのが、はるかに内容がある補償になるだろう。

これがシン・アラム選手への慰労であるというのです。ここでの「慰労」とは「恨(ハン,中断を余儀なくされた口惜しさ,恨み)を解く」ことかと思われます。
 
それで私は思いました。「従軍慰安婦問題」について村山内閣の時に発足した「アジア女性基金」と同じ構図なのではないかと。つまり,謝罪ではない「村山首相の遺憾であることを表した文」や「見舞金(後に償い金と変更)」という「奇怪な補償ではなく」,「日本政府による誠意ある謝罪」こそが求められていたものであったように思われます。

1965年の日韓基本条約では「請求権問題は完全に解決」したとしています。日本政府こうした立場を堅持しています。国際法的には何の問題もありません。ですからこそ政府の謝罪ではなく「アジア女性基金」と謝罪を意味しない「遺憾の意の表明文」だったのでしょう。しかし,「誠意のある謝罪」という韓国の国民感情は理解されないままです。「恨(ハン)を解く」ことを含めて,外務省には韓国語に堪能は官僚は多数いると思われます。こうした韓国の国民感情を理解する官僚はいないのでしょうか。

また,13日の韓国紙,東亜日報(日本語・電子版)によると,李明博大統領は竹島訪問について,「独島訪問は一種の地方巡り」とし,以下のように述べたと言います。

李大統領は,「日本を必要以上に刺激したり対立したい気持ちはないが,過去史問題について日本政府がこれまであまりにも誠意がなかった」と独島訪問の背景を説明したという。とくに昨年12月に日本京都で開かれた野田佳彦首相との首脳会談に何度も触れながら、「野田首相と1時間を越えて慰安婦問題についてばかり話し合ったのに、野田首相はあれこれと話題を変えて誠意を示さなかった。会談後も日本政府の措置は全くなかった」と話した。

李明博大統領の「天皇訪韓の条件」を含めて,一連の言動は,私には外交の素人の言動のようにしか思われません。しかし,「誠意ある謝罪」はやはり気になる言葉です。

気になる言葉といえば,「天皇訪韓の条件」について安倍元首相は朝日新聞の取材に対して,「一国のリーダーの発言として余りに非礼だ。大統領は親日的だと思っていただけ,どうしたのかと思う」との批判します。この記事が発言通りであるとすれば,前段はその通りですが,後段の「親日的」とは韓国では「売国的」と同じ意味合いであることを安倍元首相は知らないようです。現職の首相の発言ではないことが救いでしょうか。

by gakis-room | 2012-08-15 18:00 | 韓国あれこれ | Comments(2)
Commented by saheizi-inokori at 2012-08-16 09:44
大統領としては非常識かどうかはともかく思いのたけをいう気持ちはわかります。
日本人、とくに沖縄や特攻で死んだ人の遺族も誠意ある謝罪が欲しいのではないでしょうか。
Commented by gakis-room at 2012-08-16 11:03
saheiziさん,
「国のために命を捧げた」とよく聞きますが,
私は「国のために命を捧げることを強いられた」と置き換えてしまいます。


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