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2011年 10月 08日
自治体の福島,宮城,岩手県への支援は有償,すでに44億円を請求
自治体の福島,宮城,岩手県への支援は有償,すでに44億円を請求_d0006690_18544382.jpg都道府県が,東日本大震災で被災した福島,宮城,岩手の三県への支援が有償であるとは知りませんでした。私は支援は都道府県の「善意」とばかり思っていました。

支援都道府県による被災3県への請求の締め切りは,7月末,11月末,来年2月末の3回のようですが,その第1回の締め切り時の請求額は約44億円,請求見込みの概算額では89億円にのぼるようです。

きょうの朝日新聞の夕刊(大阪本社版)が伝えています。これは災害救助法第35条の,「都道府県は…救助につきなした応援のため支弁した費用について、救助の行われた地の都道府県に対して、求償することができる」によるようです。

記事によれば,東京都の担当者は「都民の税金を使って支援した以上,請求して取り戻すのは当然」と言っています。実際には,国は被災県の財政力に応じて請求額の5〜9割を国庫で負担し,被災県負担分についても起債を認めて,その元利償還金の95%を国からの地方交付税で埋め合わせるようですから,被災県の実際の負担分は請求額の一部にとどまるようです。

しかし,です。国が支援費用の大半を負担するとはいえ,被災3県は大量の請求内容を審査する事務負担を強いられます。災害救助法の第1条では,法の目的を次のように掲げています。

「第一条  この法律は、災害に際して、国が地方公共団体、日本赤十字社その他の団体及び国民の協力の下に、応急的に、必要な救助を行い、災害にかかつた者の保護と社会の秩序の保全を図ることを目的とする。」

国が地方公共団体、日本赤十字社その他の団体及び国民の協力の下に、応急的に、必要な救助を行」うのですから,支援の主体は国です。都道府県の支援を「善意」に委ねないとしても,請求事務を含めて支援の全額を国がなぜ負担しないのでしょうか。被災地支援費用を被災地に請求させる,この国は冷たい国のようです。早急な法改正が必要なように思われます。

※写真はクリックすると拡大します。

by gakis-room | 2011-10-08 19:06 | つれづれに | Comments(4)
Commented by saheizi-inokori at 2011-10-08 21:35
この国のシステムの根幹が見直されるべきなんでしょうね。
期待薄ですが。
Commented by gakis-room at 2011-10-09 09:26
saheiziさん,
請求対象を国ではなく,支援を 受けた都道府県にした立法主旨は何だったのでしょうか。
1条と35条との齟齬が気になります。
Commented by ume at 2011-10-09 10:09 x
日頃は「国家」をほとんど意識することなく暮らしていますが、震災の時は、生まれて初めて強く「国家」を意識しました。永らくのご無沙汰でした。本日より新しいサイトでブログを始めました。
Commented by gakis-room at 2011-10-09 10:50
umeさん,
ブログの再開,待っていました。
また,楽しみが1つ増えました。


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