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2011年 04月 12日
「レベル7」に留まってほしい
福島原発は原発事故としては最悪の「レベル7(深刻な事態)」に引き上げられた。
しかし,基準となる放射性ヨウ素換算では過去最悪であったチェルノブイリ事故の10分の1だという。
これがどれほどの気休めになるというのだろうか。

私の理解では,原発事故は以下の3段階を終えて終息する。
 1 核分裂を止める
 2 原子炉を冷やす
 3 放射能物質を閉じ込める

現状は今も,1の「核分裂を止める」段階に留まっている。そして,放射性物質は放出され続けているようだ。圧力容器,格納容器の損傷があるかも知れないという。実情がわかっていないから,「損傷はない」と言えず,「あるも知れない」なのだろう。これまでの報道は「○○ができたらなんとかなるかもしれない」という希望的観測の連続であった,今も。

「○○ができてもなんともならないかも知れない」という選択肢どころか,「何もできていない」状態が続いている。しかも,チェルノブイリやスリーマイル島と違って複数の原発が,モグラ叩きのようにあれこれを起こしている。放射能汚染水を意図して海に棄てたのも初めてである。

きょうの朝日新聞の夕刊によれば,「格納容器を水浸しにして圧力容器ごと水没させる」案が浮上しているという。これはアメリカ原子力規制委員会のお勧めだという。とすれば,これ以外に「原子炉を冷やす」方法はないと言うことだろうか。しかし,これとても簡単にはいきそうもないようだ。

「深刻な事態(レベル7)」を越えて「苛酷な事態」にならないようにただただ祈るばかりである。

by gakis-room | 2011-04-12 19:54 | つれづれに | Comments(2)
Commented by saheizi-inokori at 2011-04-12 22:03
損傷があることはずいぶん早くから分かっていたと思います。
それを云い損ねたから今はご想像に任せますになっている。
地震のせいだと何かと困る向きもあるようですし。
Commented by gakis-room at 2011-04-13 06:49
saheiziさん,
地震のせいとなると,日本の全部の原発を止めなければならなくなってしますますからね。
さらには原子力行政全般の見直しも必至です。


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