2010年 03月 02日
今年の「例の会」」は2月27〜28日の対馬旅行でした。対馬は初めてでしたからしらないことばかりでした。 ※写真はクリックすると拡大します。 【今年は前夜祭付き】 職場も違う何人かが集まって,当初は,年に1回の食事会をもってきましたが,15年前からこの時期に1泊2日の小旅行(例外は2005年12月の韓国旅行)となりました。小旅行になった頃から,この集まりは「例の会」と呼び合うようになりました。 今年の「例の会」は前夜祭付きでした。対馬へは福岡乗り継ぎの空路でしたが,大阪伊丹発が8時と早朝であったために,大阪で前泊することになりました。当然のこととしてその夜は事前の宴,つまりは前夜祭です。 ![]() 対馬は南北82㎞,東西18㎞の細長い島でした。しかし,現在では2個所の堀切によって人工的に3つに分かれています。 最初に堀切されたのが島の南3分の1の所にある「大船越(おおふなこし)」瀬戸です。1671年に延べ35000人によって完成しました。長さ250m,幅50mの開削によって島の南端を回ることなく,島の東西をつなぐ航路が出来ました。 私の虎が煙草を吸っていた頃,小学校時代のことです。若狭湾と伊勢湾を結ぶ大運河ができれば便利なのにと思ったことを思い出しました。 ![]() 2つ目の堀切が大船越瀬戸の北2㎞にある万関(まんぜき)瀬戸です。こちらは日本海軍によって1900年に完成しました。長さ300m,幅25m,水深3mです。1905年の日露戦争の対馬沖海戦では,水雷艇部隊がここを通って出撃したとのことです。 ここより北部を上島,南部を下島と言います。現在では幅40m,水深4.5mに拡張されたので,多くの船舶はここを利用しているようです。 なお,ここよりさらに北には「小船越」と呼ばれるところがあり,その地は幅160mしかなく,中世では小さな船なら,陸を運んでこの地峡部を越えました。遣唐使は歩いてここを渡り,船を乗り換えたとのことです。(写真は万関橋から) ![]() 対馬の最北端鰐浦にある「韓国展望所」です。ここから韓国の釜山まではおよそ50㎞,よく晴れた日には釜山の高層ビルが見えるそうです。 晴れてはいましたが,遠くは霞んでいて,残念ながら釜山を見ることはできませんでした。 韓国風建物の横の木立の奥に見える石碑は「訳官使殉難之碑」です。 ![]() 江戸時代,12回の来日した「朝鮮通信使」については知っています。しかし,「訳官使」については初めて知りました。 「訳官使」とは朝鮮王朝から対馬に派遣された外交使節団です。1703年,対馬藩3代藩主の死を弔い,新藩主の襲封を祝賀するために来島した訳官使一行108名と随行の対馬藩士4名を乗せた船は,嵐に襲われ鰐浦湾入港直前に遭難し,藩あげての救援対策もむなしく全員死亡しました。 江戸時代は「鎖国体制」と言われていますが,幕府は朝鮮王朝と通商(商いを通じる)だけではなく,国書の交換をする通信(信=よしみを通じる)による正式な外交関係を持っていました。その「善隣外交」の礎が「訳官使」の対馬来島のようです。 毎回およそ100名からなる使節団の対馬来島は51回を数えるそうです。鰐浦から釜山までおよそ50㎞,博多まで140㎞。単に距離の近さだけでなく,「通信使」来日の一切の任された対馬藩と朝鮮王朝と関係が伺われます。 碑には「両国間に未来永劫に横たわる『誠信之交隣』の理念に殉じた一行への思いを新たにし,ここに112個の霊石をもって碑を建立し永く顕彰する」との説明がありました。 ■
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by gakis-room
| 2010-03-02 10:29
| つれづれに
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Comments(4)
小沢訪中団よりも親善の意味がありそうですね。
対馬には一度行きたいと思っていますが、もう無理かもしれないなあ。 ![]()
壱岐、対馬、五島列島、隠岐の島分かっているようで曖昧でした。
今地図で確認して、所在地の緯度が相当認識とずれていることに 気付きました。私に残された数少ない未訪問地の一つです。
saheiziさん,
レンタカーで回りましたが,2日間の運転を引き受けてくれたTさんに感謝,感謝です。 それでなければ,とてもあちこちへは行けませんでした。
高麗山さん,
一般的には朝鮮半島と対馬の間が朝鮮海峡,対馬と壱岐の間が対馬海峡と呼ばれていることを今回初めて知りました。 なお,海上保安庁発行の海図では,前者は「対馬海峡西水道」,後者は「対馬海峡東水道」となっているそうです。 |
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