2009年 02月 05日
この衝撃,ドイツ軍のフランス駐屯
私には大きな衝撃です。きょうの朝日新聞の朝刊,国際面です。「フランスがドイツ軍駐屯を受け入れへ 両首脳表明 第2次大戦後初」

記事よればフランスのサルコジ大統領は「フランスは自国本土にドイツ軍部隊を恒久的に受け入れる」ことを明らかにしました。さらに驚いたのは,すでに20年前の1989年にはフランス・ドイツの両国は「仏独旅団」を創設しており,その兵力は現在では仏軍2300人,独軍2800人にいたっていることです。

今回合意をみたドイツ軍のフランス駐屯はドイツ軍単独の駐屯ではなく,この混成旅団の駐屯地をフランス国内に新設するもののようです。

フランスの対ドイツ政策と言えば,1871年の普仏戦争に敗北して以来,「反ドイツ」と言うよりも「ドイツへの復讐」で一貫していました。その後第1次世界大戦を経て,第2次世界大戦ではフランス国土はドイツに蹂躙され,国土の半分はナチスの支配下におかれました。残りの半分も親ナチス政権が支配します。

そのフランスが,ドイツ軍の国内駐屯を受け入れただけでなく,すでに20年前から仏独旅団をつくっていたとは。旅団が創設された20年前当時はともかくも,現在ではフランス国民もこの事実をうけいれていると思われます。そして,今回の仏独旅団の一部とはいえ,ドイツ軍のフランス国内駐屯についてのフランス国民の拒絶はないように思われます。

記事は「ナチスの記憶が残る仏側があえて独軍の受け入れに踏み切ったのは、欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)の主導権を両国で握っていく狙いとみられる」と結んでいますが,狙いがそうだとしても,ここに至るまでに,ドイツ,正確には西ドイツはどのようにしてフランス及びフランス国民の信頼を回復したのでしょうか。

対フランスだけでなく,ポーランド,チェコ,スロバキアを含めたヨーロッパにおける信頼回復のための営みを西ドイツはどのように積み重ねてきたのでしょうか。口先だけの反省の弁とは対極のものだったのでしょうか。真摯な営みの積み重ねは簡単なものではなかったはずです。

国連の常任理事国就任を切望するこの国ですが,せめて,「東アジアの一カ国でも反対がある限り,常任理事国にはならない」と言う真摯さをこの国に期待するのは見果てぬ夢でしょうか。

昨日の産経新聞夕刊(大阪本社版)によると「日本は侵略国家ではない」という「感想文」を書いた田母神氏は,3月1日,ロサンゼルスで講演するそうです。ロサンゼルス在住の日本人有志が「"外からの視線"で田母神氏が提起した問題を問い直したい」からだそうです。戦後の西ドイツの営みの詳細を知りたいと思いました。
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by gakis-room | 2009-02-05 18:59 | つれづれに | Comments(4)
Commented by saheizi-inokori at 2009-02-05 23:32
民度なのかアメリカの指導のせいかキューバにもドイツにも負けるのは悔しい、って俺も愛国者だなあ。
Commented by 高麗山 at 2009-02-05 23:39 x
法制上の問題、地理的条件等種々の問題はあれ、韓国軍と自衛隊が混成部隊を編成するようなことが想像できるでしょうか?
Commented by gakis-room at 2009-02-06 18:14
saheiziさん,
1985年5月8日,ドイツ降伏40周年の日に,連邦議会て「過去に眼を閉ざす者は,現在にも盲目であり,未来にも同じ過ちを犯すだろう。」とワイツゼッカー大統領は演説しました。
また,2005年1月25日,アウシュヴィッツ収容所解放60周年に当たって,シュレーダー首相は「私たちに確かなことは、私たちが、かつて国家権力によって、自由と正義と人間の尊厳が踏みにじられことを忘れるならば、自由も正義も人間の尊厳もあり得ない」と演説しています。

民度もしかりですが,国家の指導者も真摯に歴史から学ぼうとしています。「不幸な一時期」なんて意味不明なことを言ってはいません。悔しいけれど差は歴然としています。
Commented by gakis-room at 2009-02-06 18:16
高麗山さん,
「韓国軍と自衛隊が混成部隊を編成」する日を夢見たいと思っています。


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