2008年 08月 06日
書展とピアノおさらい会,東京行・その2
ずいぶんと前のことですが,「あなたの趣味は?」と聞かれて,答えに窮して狼狽えたことがありました。私には趣味として打ち込んできたものが今に至るまでありません。ですから,趣味に打ち込む人をみるととてもうらやましく思ってきました。東京ではあらためて自身の無趣味を噛みしめました。

d0006690_1412379.jpg【第60回毎日書道展】 8月2日
毎日書道展は,公募,会友,役員あわせて35,000点の出品があるこの国の最大の書道展だそうです。

知人の入選作を見に行きました。彼が書を始めたのは60歳を過ぎた3年ほど前です。所属する会(総勢何人かは知りませんが結構大規模な組織のようです)の書展に特選でデビューし,毎日書道展ではいきなりの入選です。

休みの日の午前中は2時間近く切磋します。私と言えば,その横でコーヒーなどをすすりなから黙ってみているだけです。

「書は勢い」と彼は言うのですが,「そうですか」と頼りない返事です。「勢い」と言えば,書家の石川九楊氏はその著作で,「書の鑑賞は筆の運びをなぞればよい」と書いていましたが,それに通じるのかもしれません。

写真の入選作の前で,必死に筆の運びをなぞってみるのですが…。せめて自分の住所氏名くらいはきちんと書けたらと思うのでした。



d0006690_14122175.jpg【ピアノおさらい会】 8月3日
知人は子供の頃にピアノを習ったことがあるそうですが,30歳を過ぎて再びピアノ教室に通い始めました。

その教室の「おさらい会」です。入り口には「カンタービレ ピアノおさらい会」との掲示がありました。

教室の「子供の部」は7月末に終わっていて,この日は「大人の部」でした。日頃の修練の「おさらい」をするのは13人。

「あがってしまって,なん度も躓いた」とは演奏後の知人の弁ですが,どうしてどうして,立派な10番目の演奏です。ピアノに向かって姿勢を正し,一呼吸置いてから動き出す指の軽やかさは身内の贔屓はあるにせよ,まさしくピアノ演奏です。

13番目は初老の方でした。ショパンをダイナミックに弾きます。この人には譜めくりがいました。夫人です。彼女は2番目の発表者でした。夫のピアノに引き寄せられて,最近始めたそうです。

演奏前にふうっ〜と大きな息をつき,演奏後にも同じ仕草をしたのが印象的でした。譜めくりに慣れないのでしょう,手を伸ばしては「まだまだ」と奏者にたしなめられ,「遅い」と催促される姿がほほえましい限りでした。

夫の演奏後に真っ先に拍手をしたのも譜めくりの夫人でした。歌うように(カンタービレ)とはいかない演奏が多かったとはいえ,書も音楽もからっきしだめな私には趣味に打ち込む人々の姿が美しく見えました。
[PR]

by gakis-room | 2008-08-06 14:26 | つれづれに | Comments(6)
Commented by saheizi-inokori at 2008-08-06 21:02
いいですね!最高の趣味、夫婦が一緒に楽しめるなんて。
gakisさんがうっとりと見ほれている様子がよくわかります。
Commented by gakis-room at 2008-08-07 06:03
saheiziさん,
うっとりとしながらも,しみじみと孤独を味わいましたよ。
Commented by saheizi-inokori at 2008-08-07 10:29
味わい!
なんと味わい深いお言葉でしょう!含蓄の佃煮です。
Commented by イネ at 2008-08-07 14:56 x
gakisさんはピアノを聴きながらしみじみ孤独を味わったのですね。
こじんまりした発表会では自分が直接関係者でなくても物語が見えてきますね。
Commented by gakis-room at 2008-08-07 15:18
saheiziさん,
コメントの返しようがありません。ましてや「含蓄の佃煮」なんておっしゃられては。
Commented by gakis-room at 2008-08-07 15:22
イネさん,
そうです。こじんまりとした発表会でした。発表者は客席にいて,順番が来ると舞台の前の階段からピアノに向かいます。発表が終わると自席に戻ってきて,家族でしょうか,隣に話しかけながら胸をさすっているのも良かったですよ。


<< 暁斎記念美術館と東京国立博物館...      飲んで食べました,東京行・その1 >>