2008年 04月 15日
圧倒的な魔術師,暁斎(きょうさい)
京都国立博物館で「暁斎 Kyosai」を見てきました。肉質画135点です。チラシには「絵画の冒険者」,「近代に架ける橋」とあり,さらに案内のポスターでは「泣きたくなるほどおもしろい」とも書かれていました。

私は少し違った感想を持ちました。「冒険」でもなく,「架け橋」でもなく,これでもか,これでもかと見せつけられる彼の魔術的な才能に圧倒されました。先に京都国際マンガミュージアムでギャクマンガを見ていますが,両方をも見てよかったと思っています。

才能だけでなく,一体,彼の発想はどこからくるのでしょうか。仮名垣魯文に依頼されて4時間で描きあげたという新富座で上演された「下夜鐘十字辻巫」のために贈幕,4m×17mの大きさもさりながら,「新富座妖怪引幕」として人気絶頂の歌舞伎役者を妖怪仕立てにしてしまいます。

俵屋宗達の「風神,雷神」を意識してか,「風神,雷神」を地上すれすれに描くかと思えば,太鼓を海に落として慌ててそれを拾い上げようとする雷神,鷹に追われて逃げまどう風神。美女が枝にこよりを結びつけるために四つん這いになって踏み台となる閻魔大王…。

そして,これらにも狩野派の絵師,浮世絵絵師の才能は遺憾なく発揮されています。
彼の死(59歳)の前年に岡倉天心,フェノロサが美術学校教授依頼のために彼の自宅を訪ねたとの河鍋家に伝わる伝承にも納得させられます。

下は「地獄太夫と一休」(地獄太夫は4月9日の画像でもとりあげました)。一休は,騙されて遊女となり,「地獄太夫」と名乗った彼女を悟りに導いたとされています。骸骨の上でおどける一休こそはまさしく大禅師だったかもしれないと思ってしまいました。解説文には「澄ましている地獄太夫」(だったかな)とありましたが,私には彼女が「そんなんあり?」と虚をつかれているようにも見えました。

京都国立博物館,京都国際マンガミュージアム共に5月11日まで。
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by gakis-room | 2008-04-15 20:25 | つれづれに | Comments(8)
Commented by saheizi-inokori at 2008-04-16 11:05
いよいよもって蕨の美術館に行かなくては!
Commented by gakis-room at 2008-04-16 15:22
saheiziさん,
国際マンガミュージアムのものは,ほとんどが暁斎記念美術館蔵で,国立京都博物館のものは半分くらいが暁斎記念美術館蔵でしたから,5月11日以降がよいようです。
私もいつか行ってみたいと思っています。
Commented by saheizi-inokori at 2008-04-16 19:45
その時はきっとご連絡お待ちしています。野の花記念と誕生日とを東京版、やりましょう。
Commented by gakis-room at 2008-04-16 21:48
saheiziさん,
もちろん連絡いたします。蕨より先にソウルに連れて行って頂きたいと思っています。
Commented by saheizi-inokori at 2008-04-16 21:58
いかようにも^^。
Commented by gakis-room at 2008-04-16 22:04
saheiziさん,
ありがとうございます。よろしくお願い致します。
Commented by BIN★ at 2008-04-20 21:26 x
はじめまして。
偶然、フェノロサで検索していてたどりつきました。この暁斎展には、ぜひ行きたいと思っていました。ので、興味深く読ませていただきました。
Commented by gakis-room at 2008-04-21 09:37
BINさん,
初めまして。
是非,ご覧になってください。京都国立博物館と京都国際マンガミュージアムと両方セットでご覧になるとなおよいかと思います。

ブログ拝見いたしました。私のようにちまちま書いているのとは違って,圧倒的な発信量にただただ敬服するばかりでした。


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