2008年 02月 26日
衝突事故をおこしたイージス艦のイージスが「アイギス」の英語読みとは知りませんでした。「アイギス」とはギリシア神話の女神「アテナ(ローマ神話ではミネルバ)」の持っていたとされる無敵の防具のことです。 アテナはこれを父親である主神ゼウスから授かりました。この防具の形は楯とも胸当てとも言われています。後にアテナは英雄ペルセウスから,目を合わせた者を化石にしてしまうというメドゥーサの首を捧げられ,その首を「アイギス」にはめ込んだとされます。 目を合わせた者を化石してしまうというメドゥーサの魔力は首を切り落とされた後も残り続けていたと言いますから,アテナの持つ「アイギス」はますます無敵になりました。 無敵のイージス艦がちっぽけな漁船に立ち向かった,とは洒落にもなりませんが,この事故の原因は新聞によれば (1)「イージス艦の艦橋にいた10人の当直が弛んでいた」 あるいは (2)「『そこのけ,そこのけ,イージス艦が通る』との奢りがあった」 らしいようです。 それで思いました,今回の事故が,(1)でも(2)でもなく,「アイギス」の一人歩きでは断じてなかったといえるのであろうか,と。堕落したとは言わないまでも浅はかな知恵が,無敵の武装をして一人歩きする怖さを想像してしました。 ※写真はメドゥーサの首がはめ込まれている胸当てしたアテナ
by gakis-room
| 2008-02-26 11:45
| つれづれに
|
Comments(6)
Commented
by
asuno-kazemachi at 2008-02-26 13:42
カラバッジオのファンなのですが、メデューサの盾といって思い出したのは、彼の絵でした。
http://members.jcom.home.ne.jp/hakushou/a/cara-medusa.htm 無敵であるという怖さは、無敵であること自体なのだと思います。 何でもひとつぐらい怖いものがないといけないと思います。
0
Commented
by
gakis-room at 2008-02-26 15:35
風待ちさん,
カラバッジョについては知りませんでしたので調べてみました。イタリアルネサンスの後期あたりですかね。なかなか興味深い画家です。
Commented
by
umemodokia at 2008-02-26 20:05
宝くじを買いに行って一億円当たる確率より交通事故に遭う確率の方がずっと高いそうです。今のところ、この無敵艦はどれほど「国家と国民の安全」に寄与したかは分りませんが、2人の漁夫に大きなダメージを与えました。使い方も、役に立つかもよく分らず、高価な道具を買う人の気持ちが私のような零細工事業者にはよく分りません。umemodokia=ume
Commented
by
gakis-room at 2008-02-27 05:35
Commented
by
gakis-room at 2008-02-27 13:58
YUKIさん,
事故後の情報の不可解さは一体何なんでしょうか。不審は募るばかりです。 |
アバウト
カレンダー
カテゴリ
タグ
5月の花の手帳(241)
4月の花の手帳(215) 3月の花の手帳(195) 6月の花の手帳(182) 10月の花の手帳(174) 9月の花の手帳(129) 11月の花の手帳(126) 7月の花の手帳(113) 2月の花の手帳(74) 8月の花の手帳(65) 12月の花の手帳(58) 1月の花の手帳(51) 以前の記事
最新のコメント
検索
記事ランキング
|
ファン申請 |
||