2007年 12月 29日
洗濯物の匂いの記憶
私の虎が煙草を吸っていた頃,小学生のいつの頃からか,夕方に洗濯物を取り入れるのが子供たちの仕事になっていました。私はその仕事が嫌いではありませんでした。あの時のちょっとした快感を思い出します。
d0006690_18113326.jpg当時の洗濯物の干し方を今では見ることはありません。庭の「物干し棒」,こんな名前ではなかったように思いますが,思い出せません。

要するに鈎を付けた一対のポールを建て,それに物干し竿を架けます。鈎は3段になっていました。物干し竿はもちろん竹で,現在の金属製のものよりもずっと長かったように思います。

私の家では物干し棒は2組ありましたから,3段×2組で6本の洗濯竿を使っていました。というのも,洗濯の干し方は現在のようにハンガーを使わないで,両袖を竿に通すというやり方でしたから,たくさんの竿が必要でした。

1本の竿に洗濯物を通し終わると「取り入れ棒」(こんな名前ではなかったように思いますが,これも思い出せません)で,1段ずつ最上段にまであげていきます。取り入れるときはこの逆です。

洗濯ばさみをはずして,竿の片方をもって,えいっとばかりに垂直にします。すると,洗濯物がするすると落ちてきます。落ちてきた洗濯物が顔にかかりますが,まさしく洗濯物の匂いです。洗濯物が落ちてくる時と洗濯物の匂いが好きでした。

あの匂いは,盥を使っての手洗いでしたから,落ちきらなかった石けん(洗剤ではない!)の匂いだったのかも知れません。洗濯機で,液体洗剤を使っている現在はあの匂いをかぐことはありません。

こんなことを突然に思い出したのは,きょうの天気予報がはずれて,終日雨の中でほとんど乾かなかったベランダの洗濯物を恨めしく思ったからのようです。
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by gakis-room | 2007-12-29 18:13 | つれづれに | Comments(10)
Commented by ume at 2007-12-29 19:42 x
恥ずかしながら盥という字を初めてみたような気がします。子供の頃、大人たちが盥を浮き輪代わりに、ヘリに手をかけて沖へ漕ぎ出し、短い釣り竿で、釣りをする光景をよく見ました。釣った魚はそのまま盥に入れます。あまり釣果のない時は、潜ってサザエを獲ったり、天草を採ったりしていたようです。憧れの眼差しで眺めていたものでしたが子供には許しが出ません。「早く大人になりたい」と願ったのですが、大人になった頃には「盥釣り」の光景は消えてしまいました。
Commented by next-kazemachi at 2007-12-29 20:23
懐かしいですね、こういう物干し。
私の知っている取入れ棒(名前、やはりわかりません)は、先がV字型になっていたように思います。
背の低い母が、長い棒を魔法のように操って、高いところの干し物をしたり取り入れたりすることに一種の畏敬さえありました。
背ばかり伸びて、ガリガリで非力で、おまけに不器用ときてる私は、母の手伝いをしようとしても、どうもうまくこの棒を操れなかったんですよ。

木の盥が使い込まれて、毛羽立っていたことを、ふっと思い出しました。
Commented by とある所の乙女 at 2007-12-29 23:22 x
”そうそう、こういう干し方だったなあ”と懐かしく思い出しました。私の記憶では、物干し柱と物干し棒だったような気がします。もう何十年も前のこと
になりますので、やはり定かな記憶ではありませんが....。
Commented by 高麗山 at 2007-12-30 01:42 x
「数へ日」の多忙の日に、一つ一つ反応しなければならない記事はご遠慮願いたい!
このような物干し、庭が無ければ不可能です!
それにしても、さす又のような器具の名前が?
洗濯物を取り入れたときのあのお日様と、洗濯石鹸の匂い!
CMでは「洗剤」の香りを!
今でも、干した布団に顔をうずめる事が、この様は人様に見られたくない!   何への郷愁なのだろう?
Commented by gakis-room at 2007-12-30 04:56
umeさん,
「盥釣り」って海女漁に似ているところがありまね。沖に盥がいくつも浮いていて,男たち(男たちですよね,きっと)が漁をしている光景を私も見てみたいと思いました。
大人たちだけに許されていて,私が大人になったら消えてしまっているなんて悔しい限りです。
Commented by gakis-room at 2007-12-30 05:06
とある所の乙女さん,
「物干し柱」と「物干し棒」だったかも知れません。さっぱり思い出せません。足袋なんかはその辺の木に引っかけて干していたように思います。にわか雨の時なんか,取り入れるのが大変でした。
Commented by gakis-room at 2007-12-30 05:10
next-kazemachiさん,
V字型のもありました。木の枝を竹の先端に突き刺してありました。ちょつと風のある日は,最上段のものを1段ずつおろしてくるを面倒がって,一挙におろそうとして失敗したこともあります。
盥と洗濯板,これがワンセットでした。そうそう,毛羽だっていました。そして,縁はすり減っていました。
Commented by gakis-room at 2007-12-30 05:17
高麗山さん,
年末の貴重な時間にチャチを入れてしまったみたいですね。けれども,思い出ししてしまったんですから(笑い)。
干し布団は日向の匂いなのでしょうか。私は顔をうずめたことはありませんが,取り入れ時に顔に触れたりしたときの何とも言えない感じ,あれはいいですねえ。
Commented by saheizi-inokori at 2007-12-30 09:29
エライモノヲ思い出しましたね。
私もあのにおいを思い出しました。
今のようにしょっちゅう洗濯できなかったんですね。
Commented by gakis-room at 2007-12-30 10:12
saheiziさん,
今のように,洗濯機に放り込んでスイッチを押せば勝手にやってくれる時代とは大違いでした。学生時代,バケツで水だけでの洗濯を思い出すにつけ,世の母親たちの苦労が偲ばれます。


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