2007年 10月 10日
「雑草のはなし」(田中 修著,中公新書)
d0006690_721160.jpg10月 06日の「イヌタデ,イヌのつく草花がこんなに多いとは」にumeさんからコメントをいただきました。そこで教えていただいた本です。

著者は前書きで言っています。
…雑草たちは…人間に望まれないので目立つほど大きく成長しない。目立てば刈られるから,ひっそりと暮らしている。こんな生き方から,雑草たちは,都会生活の「負け組」のような印象を受ける。

…雑草たちはまちがいなく「勝ち組」である。勝ち組であるからには,その生き方に秘訣がある。人とのかかわりの中で生まれた話題がある。本書でその一端を知ってほしい。

この書は口絵に20ページのカラー写真を使っていますが,「図鑑」ではありません。230種以上の雑草に触れています。

サブタイトルに「見つけ方,たのしみ方」とありますが,私には「見つけ方」よりは「たのしみ方」に惹かれました。

【umeさんのコメント】
先日読んだ本(雑草の話,田中修著,中公新書)に…オオイヌノフグリが取り上げられておりました。日本では,実の形からフ○○と名付けられましたが,外国では美しい花の色から「キャッツアイ」と呼んでいます。この花にはオシベが二本しかなく,メシベとオシベは距離をおいてなるべく受粉しないようにお互いそっぽを向いているそうです。いわば,「家庭内別居状態」で,その理由は文字通り「アンタ以外の男が良い」ということで「他の花の花粉を待っている。どうしても他の男が言い寄ってこない場合もあるので,夕方になると花がしぼんで「仲良くしろ」とばかりに無理矢理受粉させ,種の保存を計るのだそうです。

以下は,本書からヒガンバナについて知ったことです。
【ヒガンバナの葉】
ヒガンバナの葉は花が咲いた後の秋,細く目立たないハッパが生えてくる。冬に,少し厚みがある,細く長い葉っぱがしけり始める。何の変哲もない葉であり,これがヒガンバナの葉だと気づくまでは目立たない

冬の間,寒さの中で青々と繁る。4月から5月,暖かくなって,他の植物が茂りだす頃,枯れてすっかり姿を消してしまう。

【ヒガンバナの花】
ヒガンバナのツボミは,5月中旬にできる。球根の中でツボミが春にできて秋に花が咲く。ヒガンバナのツボミは成長しはじめると,約1週間で花が咲く。夏に咲かないのは,夏の暑さが成長を抑えているか,ツボミが成長しはじめる前に夏の暑さを体感する必要があるのかも知れない。

(ヒガンバナの球根を)5月の中旬から夏のような高温に入れ,6月から1カ月ごとに秋のような涼しい場所に出した。すると6月でも,7月でも花が咲いた。

とまあ,こんな感じの本です。しばらくは,四季を通して数多くの「雑草」のあれこれを楽しむことができそうです。
おもしろい本を教えていただきました。umeさん,ありがとうございます。
[PR]

by gakis-room | 2007-10-10 07:04 | 花の手帳 | Trackback | Comments(6)
トラックバックURL : http://gakisroom.exblog.jp/tb/6340881
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
Commented by maron415 at 2007-10-10 14:10
今の季節、セイタカアワダチソウが勝ち組なのかな?
人が、刈ってくれることによって、伸びてくる草もありますね。
オオイヌノ…の論理は種の保存としては理にかなってるなあと思いました。
近くない種と…でも、できなかったらとりあえず…(笑)
Commented by gakis-room at 2007-10-10 21:46
maron415さん,セイダカアワダチソウは勝ち組とは言いにくいところがあります。この本によれば。セイダカアワダチソウは他を圧倒して繁殖し,まさに勝ち組を誇っていますが,その理由の1つに「しす・デヒドロマトリカリア・エステル」というむつかしい名前の物質を自分の周りにまき散らし,その物質のために他の植物のタネを発芽させなかったり,発芽しても枯れさせたり,成長を抑えたりするからだだそうです。

しかし,この物質がだんだん土の中にたまって,今度は自分にも害になって自滅するのだそうです。セイタカアワダチソウが一時のピークを過ぎて減ってきたと言われているそうです。

フンフンと納得した次第です
Commented by ume at 2007-10-11 05:33 x
オオイヌノフグリ、ヘクソカズラ、セイダカアワダチソウ、誰が命名したのでしょうか。植物にとってはかわいそうな名前もありますが、カタカナ表記が救いです。「美しい国」「環境に優しい」「再チャレンジ」「上越市」「本町1丁目」「平和維持活動」など、世にはびこる無味乾燥で実体のない欺瞞的な言葉に比べると、なんと説得力のある名前でしょうか。
Commented by maron415 at 2007-10-11 11:49
セイタカアワダチソウね。この性質のためか特定外来生物じゃないそうですね。(イメージではそうかな?と思っていたんです。)
http://maron415.exblog.jp/6131328
オオキンケイギクが咲いてたとこにセイタカアワダチソウも咲いているんですが、以前はもっと咲いていたのだけど、オオキンケイギクが進出してきたのかな?
花もきれいなほうがこわい?
Commented by gakis-room at 2007-10-11 14:42
umeさん,確かに,確かに。ハキダメギク,ママコノシリヌグイなんてものをこの本で初めて知りました。ひどい命名だと思います。しかし,政治言語に比べれば胡散臭さも欺瞞もありません。たとえば,「平和維持活動」,これは Peace Keeping Operations の訳ですが,Operationsは複数形ですから,手元の辞書では「軍事用語」で「軍事行動,作戦」となっています。「平和維持活動」と「平和維持軍事行動」とでは,ニュアンスがあまりにも違いすぎます。まさしく「欺瞞」です。
Commented by gakis-room at 2007-10-11 14:52
maron415さん,「規制・防除の対象として指定された『特定外来生物』」なるものを初めて知りました。外来でありませんが,この国の生態系を破壊しつつある「小泉・安倍・福田」属を「特定自生生物」として指定して,駆除してみたいなんて思ってしまいました。


<< すっかり,秋です      1億本のコスモスを見てみたい >>