2007年 06月 02日
「新しい歴史教科書をつくる会」の内紛と消滅寸前の教科書
31日,「新しい歴史教科書をつくる会」は小林会長を解任し,新会長に藤岡信勝氏を選出したと発表しました。「つくる会」のホームページによると,「つくる会」執筆の歴史教科書を発行してきたフジ・サンケイグループの扶桑社が発行継続を拒否したことへの責任を問うものだ,ということのようです。

扶桑社から発行を拒否された「つくる会」は別の発行元を探すとしています。一方、扶桑社は,政治評論家の屋山太郎氏が代表世話人となり新たに発足した「改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有識者の会」(教科書改善の会)が予定している教科書を発行するようです。

扶桑社の継続拒否の理由は不明ですが,「つくる会」会長の「解任」ということですから組織分裂に近いものがありそうです。「つくる会」の藤岡新会長の声明から推察すると,根底には「つくる会」執筆の教科書の採択率が同会の目指した10%には及びもつかない0.4%に終わっているという経営採算の問題もありそうです。

今回の内紛が,思想的対立によるものなのか,あるいは「内容が右寄り過ぎて採択が取れないから」(藤岡声明)という経営採算によるものなのかはともかくとして,「つくる会」執筆の教科書は消滅寸前であることにはかわりありません。藤岡新会長の「声明」以下のように結んでいます。

「この際,私たちの志に共鳴し事業として成り立たしめる目算のある出版社を公募する方向を目指したいと思います。いずれにせよ,出版社は必ず見つかり、道は開けます。
 10年間お世話になった扶桑社との関係断絶は誠に残念ですが,もしも(継続出版拒否という)上記の方針を白紙撤回してお声をかけてくださるなら,いつでも交渉のテーブルにつく用意のあることを付け加えておきます」

自称「健全なナショナリスト」の泣き言?  ひかれものの小唄? 
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by gakis-room | 2007-06-02 06:47 | つれづれに | Comments(6)
Commented by maron415 at 2007-06-02 10:59
確かに、発行する側は儲からないですね。
つくる会の教科書なくなる可能性もあるわけですかね。いや私はあんな教科書なくていい(詳しくは見てませんが)と思いますが、
ほとんど強引に採択しているところもあると聞きます。なくなったらどうするのかな?
自費出版みたいな形ででも意地でも続ける?(それを教科書と認めるかどうか疑問ですが…)
Commented by 高麗山 at 2007-06-02 11:21 x
かつて、この会の幹部は会見で以下のようなことを言っていました。    「過去の戦争時の、諸々の事象は証拠がないので分からない」今何処かのお役人は「過去に納付した領収書を持参せよ!」  無責任な話は今も、一昔前も大差がないんだナーと思い返しています。
それから、”小唄”を唄っている人は、前に「この会は、過去の細事に拘ることなく、常に前を見つめて前進することが……」といっていたはずですが!
Commented by gakis-room at 2007-06-02 17:59
maron415さん,02年度採択は1000部,06年度採択は5000部だったみたいです。2回であきらめたフジ・サンケイグループの扶桑社のナショナリズムも底が浅いですね。つくる会の教科書の消滅間違いないと思います。教科書は店頭販売と違って,採択されなければ教科書ではないですから。
Commented by gakis-room at 2007-06-02 18:07
高麗山さん,
>この会は、過去の細事に拘ることなく、常に前を見つめて前進することが……」
もう,そんなこと忘れているんじゃないかな。今は教科書どころか会の存続がに汲々している感じですから。
Commented by Count_Basie_Band at 2007-06-04 04:41
>「改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有識者の会」

「また「有識者の会」ですか。
公私合わせて「有識者の会」はいくつあるでしょうか。
「有識者の会」に誘われ入っていく「有識者」なる人物に一度会ってみたい。
gakis-roomさんはどの会ですか?

「融資を受ける会」の人には会ったことがあるのですが(^^;)。
Commented by gakis-room at 2007-06-04 08:38
Count_Basie_Bandさん,「ユウシ(有志)」ではなく,自ら「有識者」を名乗る品性を嗤ってしまいました。


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