2007年 04月 26日
「無知」としか言いようがない安倍首相の改憲理由
昨日の朝日新聞(朝刊)によれば,安倍首相は24日にもたれた,自民党の「新憲法制定推進の集い」で,「基本法である以上,その成立過程にこだわらざるを得ない。自民党総裁として憲法改正を必ず政治スケジュールにのせる。…いよいよ私たちの時代にこそ,宿題を果たさなければならない」と憲法改正の必要性を強調しました。

別段,目新しい主張ではありませんが,憲法改正を果たさなければならない理由としてあげた3点には,「オイ,オイ,それはないよ」と驚かされます。

【安倍首相の言う改憲理由】
1,現行憲法は占領下でGHQ(連合国軍総司令部)の素人により起草された
2.長い年月がたち,時代にあわないものもある
3.新憲法制定こそ,新しい時代を切り開く精神につながる

驚きは,1点目の「GHQの素人によって起草された」と言う部分です。「押しつけられた」というGHQ案を主導したのは,GHQ民政局長ホイットニー准将です。もちろん彼は憲法学者ではありません。しかし,法について素人ではありません。法学博士で弁護士資格を持ち,1940年までマニラで法律事務所を開いています。

彼を手助けしたのが,民政局次長のケーディス大佐です。かれはコーネル大学・ハーバード大学ロースクール卒業後,弁護士を開業。その後,ルーズベルト大統領のニューディール(政策)に従事,若手花形官僚として活躍しました。さらにその配下にはニューディール(政策)に参画した若手のニュー・ディーラーがたくさんいました。

憲法学者ではないと言うことで言えば,1945年に幣原喜重郎内閣が成立すると,憲法改正担当の国務大臣として入閣,自ら「憲法問題調査委員会」の中心となって作成した憲法草案(松本試案)を,GHQに拒絶された松本烝治は法律家ですが,その専門は商法でした。

安倍首相にとって,法務省,内閣法制局の官僚も,弁護士経験を持つ者も「法の素人」ということでしょうか。戦後史の「歴史認識」の問題ではなく「歴史への無知」と言うべきことのようです。
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by gakis-room | 2007-04-26 16:09 | つれづれに | Comments(8)
Commented by 高麗山 at 2007-04-26 23:10 x
不謹慎では有りません!
 ホイットニー准将、ニュデイ‐ル、幣原喜重郎なんと懐かしい名前をおだしになるのでしょう。

   “”G.H.Q””   もう一人「老兵」の名は出しません!
Commented by saheizi-inokori at 2007-04-27 07:42
確信犯的ぼけ?
Commented by gakis-room at 2007-04-27 09:18
高麗山さん,「昭和」は遠くなりにけり,ですかね。
Commented by gakis-room at 2007-04-27 09:19
saheiziさん,確信犯だったらすごい?!
Commented by Count_Basie_Band at 2007-04-27 15:55
トラックバックされている「梟通信~ホンの戯れ言」の記事と併せ読むとゾッとしますね。

憲法を含むすべての法律、そして司法行政立法の各機関、これすべて「必要悪」という認識が、司法行政立法のいずれかの専門家になった(つもりになった)途端に失われるのがヒトという動物の悲しさ。

この「悲しさ」は、あの男には理解できないでしょうな。
Commented by gakis-room at 2007-04-28 07:58
Count_Basie_Bandさん,「経世済民」もかの人の辞書にはないのでしょうね。
Commented by Count_Basie_Band at 2007-04-28 08:59
>「経世済民」もかの人の辞書にはないのでしょうね。

個々の「語源」に映されるヒトの生理心理を論ずる講座が彼の出身大学にあったかどうかは知りませんが、いずれにしろ、そういうレベルの問題を学び、考えるタイプの子は現代では政治家にはなれないでしょうね。
そんな若者は鬱陶しいし、利権をもたらしてくれないから誰も支援しない?
Commented by gakis-room at 2007-04-28 14:08
Count_Basie_Bandさん,「凛とした」志がないと言うことですね。


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