2007年 02月 20日
隣のバラは美しく見えた?・キャノンについての二つの記事
韓国の中央日報は18日,「キャノン,不妊治療社員に最高100万円支援」との見出しで東京特派員の報告を以下のように伝えています。

…日本の世界的カメラ業者のキャノンが職員の出産努力を積極的に支援する。キャノンは4月から,社員またはその配偶者が不妊治療を受ける場合,費用の半分を100万円を限度に支援することにしたと16日,明らかにした。低出産対策レベルで企業が低金利で資金支援をするケースはあったが,今回のような無償支援は初めて。

…キャノンは現在健保が適用されていない人工受精・体外受精・顕微授精の場合の治療を支援することにした。不妊相談にかかる費用も支援の対象になる。また女性社員が不妊治療を受ける場合,本人が申請さえすれば必要な休暇が与えられ,妊娠が確認されればその時点からすぐに出産休暇に入れるようにした。一般的に出産休暇は出産予定日の6週前からという。

…これとは別に,キャノンは全社員に対して出産後の育児休職期間規定を現行の「子どもが1.5歳になるまで」から「3歳になるまで」に拡大することにした。育児のための勤務時間短縮制度も「(子どもの)小学校入学前まで」を「小学校3年修了前まで」に拡大した。会社側は「時間的な余裕を与えて2人目の子どもを産みやすい環境をつくるため」と説明した。

日本以上に少子化が深刻な韓国です。韓国の企業も少しはキャノンを見習え,ということでしょうか。この特派員の心情がわからないでもありません。同じ18日の朝日新聞(大阪本社版)は1面で,「キャノン 正社員化見送り」の見出しで次のように報じていました。

…違法な「偽装請負」の是正策の一環として請負・派遣労働者の一部を正社員に採用すると昨夏に表明していたキャノンが,その後半年間の検討を経て。当面は高校新卒者らの正社員採用を優先する方針に転換した。

宇都宮工場や子会社の大分キヤノンなどで偽装請負が発覚し,2005年に労働局から文書指導を受けたたキヤノングループでは,社長をトップとする「外部要員管理適正化委員会」を社内に設置し,偽装請負の完全解消を目指して,派遣・請負労働者のうち数百人を正社員に採用すると,昨年8月1日に報じられていました。

しかし,これもまた「偽装」だったように思われます。朝日新聞の記事によれば,キャノンの請負・派遣労働者は以下の通りです。
       2006年6月  2006年12月
請負労働者  1万5000人  1万2000人
派遣労働者    7500人  1万2500人
期間従業員             200人

期間従業員は製造に関わる派遣労働者からの直接採用のようです。キャノンで働く労働者の総数は私には不明ですが,いずれにしても,「残業代ゼロ法案」を画策する経団連会長でもある御手洗会長のもとでの2万人余の「安上がり労働力」から見れば,「不妊治療社員支援」は美徳というよりも,私には,殉職した警察官を弔問して名前を言い間違えた首相と同じく,単なるパフォーマンスのように見えてしまいます。
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by gakis-room | 2007-02-20 07:22 | つれづれに | Comments(4)
Commented by saheizi-inokori at 2007-02-20 11:40
御手洗氏が相変わらず憂国の士のようなそれにしてはにやけ顔をさらしているのをみると日本のマスコミがどうしようもないところに来ていると思います。
偽装判明時点で辞任すべき、少なくとも経団連会長を、と思うのですが。
Commented by gakis-room at 2007-02-20 22:15
私はトップがトップたるゆえんは,いざというときに如何に腹を切るかにあるかと思ってきました。その昔,小さな小さな組織の長になってしまった時に自分言い聞かせたことでした。
Commented by YUKI-arch at 2007-02-21 09:16 x
御手洗キャノンがどんな会社か、
リースで来ていた社員の顔を見れば、
げんなりの会社でした。
本業はリース、金融業か思うような・・・。
Commented by gakis-room at 2007-02-21 22:12
1月はじめに「壊した」プリンターはキャノン製でした。新しく購入したプリンターもキャノン製です。複雑な気分になっています。


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