2007年 01月 31日
切り離された2つの統計と2つの記事
総務省の30日の発表によると,06年の平均有効求人倍率は1.06%で,14年ぶりに1倍台を回復したそうです。有効求人倍率は,バブル崩壊後の92年10月に1倍台を割り,99年5,6月には0.46倍まで悪化しました。そして,06年12月の完全失業率は06年11月よりも0.1ポイント高い4.1%でしたが,完全失業者数は05年12月と比べて21万人少ない244万人で,13カ月連続で減少しました。また,雇用者数も05年12月と比べて53万人増加し,22カ月連続で増加しています。

以上は昨日の朝日新聞の夕刊の1面の「06年求人倍率1.06 年平均1倍台14ぶりに回復」との4段見出しの記事です。ここからは,完全失業者数の減少,雇用者数の増加は分かりますが,雇用実態は見えてきません。つまり,増加したとされる雇用者のうち非正期雇用者数の割合が高ければ,回復傾向にあるとされる景気のなかでの格差は拡大していることになります。

非正規雇用者ついての資料を私は持ち合わせていませんが,同じ朝日新聞(12面立て)の8面に「消費支出減少最長に」のベタ記事がありました。それによると,単身世帯を除く全世帯の昨年12月の消費支出は,05年12月に比べて1.9%減少し,前年割れは12カ月連続しています。12カ月連続は,金融システム不安が深まった97年11月〜98年10月以来で,過去最長に並びました。

1面と8面,4段見出しとベタという記事の扱いの違いは,新聞編集者の思想あるいはセンスでしょうが,朝日新聞の1面の記事では「(景気の)改善傾向は続いる」としています。私なら2つの記事を1面に並べるか,2つの記事をミックスさせた思います。更に言えば,11月段階までの非正規雇用者の実態も重ねたと思います。
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by gakis-room | 2007-01-31 10:14 | つれづれに | Trackback | Comments(5)
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Commented at 2007-01-31 23:37 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by Count_Basie_Band at 2007-02-01 05:31
>1面と8面,4段見出しとベタという記事の扱いの違いは,

朝日も「天の声」に従うようになったのかな?
Commented by YUKi-arch at 2007-02-01 16:16 x
消費の減少が何を語っているのか、
注意深く見守りたいと思います。
雇用情勢から見るのとは反対に、
先行きの悪化を暗示しているように感じますね。
Commented by gakis-room at 2007-02-01 17:22
Count_Basie_Bandさん,私には新聞編集者の問題意識の欠如の要に思われました。
Commented by gakis-room at 2007-02-01 17:37
YUKi-archさん,私は,雇用者の中での非正規雇用者の増加とは無関係でないように思っています。2006年の実質賃金は,31日に発表された厚生労働勤省の「勤労統計調査」では前年比0.6%減だったようです。


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