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2006年 12月 08日
65回目の12月8日に
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統計の取り方にはいろいろあります。軍事費については多くの場合,GDP(国内総生産)比で考えられることが多いようです。日本の場合,軍事費の制約として「GDP1%枠」が三木内閣(1976年11月の閣議決定)以来の,いわば国是になっています。

表の資料源は「ミリタリーバランス2003/2004」などですが,表で見ると日本の軍事費は,GDP比ではGエイト国の中では最小です。しかし,日本のGDPの大きさから考えるとその絶対額が気になります。絶対額では,日本はイギリス,ドイツより多く第4位です。

さらに,現役兵の数では第5位です。私がこだわるのは歳出です。歳出の内容がその国の政府の振る舞い,つまり,ものの考え方を表出していると考えるからです。軍事費を歳出内の比率で見ると,日本はドイツ,フランスより大きい比重を軍事費に置いています。

重要なことは統計の個々の比較ではなく,「憲法9条」,「専守防衛」,「非核三原則」,「防衛費GDP1%枠」等々,日本の防衛政策についていろいろ国内での議論にもかかわらず,他国から見れば,日本はイギリス,ドイツ,フランス並みの軍事力をもっている国家であるということです。

そのようにイギリス,ドイツ,フランス並みの軍事力をもっている国家であると他国から見られている日本での,憲法改正,防衛庁から防衛省への昇格,「核保有の是非についての議論の解禁」であることを知っておきたいと思っています。

by gakis-room | 2006-12-08 08:51 | つれづれに | Comments(13)
Commented by YUKI-arch at 2006-12-08 09:17 x
漠然と上位だと思っていましたが、
数値を見せられると、
さすがにむーと考えてしまいます。
この統計の出典はどこでしょうか。
Commented by YUKI-arch at 2006-12-08 09:19 x
追伸、「ミリタリーバランス」はどこの編集、出版でしょうか。
Commented by 高麗山 at 2006-12-08 12:43 x
その他防衛に関して、内容とは別に言葉だけなら、フンフンと頷けそうなものあるのがが以下の言葉です。
「有事法制」、「集団的自衛権」、「平和維持活動」、「思いやり予算」。
Commented by gakis-room at 2006-12-08 13:53
YUKI-archさん,
統計の出展は,「歳出内の比率」を除いては「Natinal Defense Observation Center」というホームページの以下から借用しました。
http://www.rosenet.ne.jp/~nbrhoshu/milexhikaku2003.html
「歳出内の比率」は「世界国勢図絵2006/07」(矢野恒太郎記念会刊)からとりました。「ミリタリーバランス」はイギリスにある軍事研究所による年次レポートです。
Commented by gakis-room at 2006-12-08 14:04
YUKI-archさん,
追加です。上記の「イギリスにある軍事研究所」は正確には「国際戦略研究所」といいます。以下のような説明がありました。
IISS(The International Institute for Strategic Studies)。1958年に設立された。世界の紛争や各国の安全保障、軍事力分析などを行う英国のシンクタンク。所在地はロンドン。フォード財団の援助により設立された。各国の軍事力などをまとめた「ミリタリーバランス」などの定期刊行物を出版している。
なお,http://www.rosenet.ne.jp/~nbrhoshu/milexhikaku2005.html
では最近の結果がでていました。
Commented by gakis-room at 2006-12-08 14:13
高麗山さん,「平和維持活動」,PKOは Peace Keeping Operations の和訳ですが,Operationsと複数になっていますから,「活動」ととともに「軍事行動,作戦」の意味もあります。「平和維持活動」と「平和維持軍事行動」ではかなりニュアンスが違ってきます。
Commented by YUKI-arch at 2006-12-08 16:46 x
出典確認できました。
ありがとうございます。
Operationsはまさに作戦で、
平和維持を目的にしても、
軍事作戦と訳すのが妥当ではないかと思います。
Commented by へいたらう at 2006-12-08 20:16 x
問題は、戦争経験がある人がいないということでしょうね。
Commented by gakis-room at 2006-12-09 07:13
へいたろうさん,戦争の痕は幼い頃の記憶にありますが,戦争の体験はありません。私の想像力が試されています。
Commented by Count_Basie_Band at 2006-12-09 16:31
私は下校途中で機銃掃射を受け、数十センチの差で命拾いをしましたし、目の前で家が爆撃で壊されるのを見ていますから、少し知っている法になりますか。

それより後藤田、梶山、野中といった元軍人が揃って反戦派だったことを思い出すべきですね。元軍人で今の流れに苦言を呈していないのは中曽根1人ですか。

ところで、私は絶対額でアメリカの次だと思っていました。歳出ベースではなく、保有ベースとなるとまた違ってくるでしょうね。
保有兵器の技術レベルとなると、やはりアメリカに次ぐ最先端軍備になるのではないでしょうか。
Commented by gakis-room at 2006-12-10 07:30
Count_Basie_Bandさん,憲法9条,,GDP1%枠,非核三原則といったベールをとりはずすと,歳出ベース,保有ベース,技術レベル,どこから見ても日本は「軍事大国」だと思っています。
ところで,「9条は血であがったもの」と言った梶山静六は士官学校卒でした。その辺りが,主計官であった中曽根とのちがいでしょうか。
Commented by heitaroh at 2006-12-12 11:57
私も後藤田さんのような人がそう言っていたことには、耳を傾けざるを得ないと思っています。
ただ、この先も、未来永劫、ずっと、それでいいのかというと・・・。

これまでも、日本はアメリカの判断ミスで押しつけられた平和憲法というものを、逆に盾にとることができたわけですよね。
ベトナム戦争に韓国は従軍したけど、日本は派兵しなくて済んだというのはその最たるものではなかったでしょうか。

ただ、現段階では、まだ、何だかんだ言っても、アメリカに守ってもらっていた方が安くつくとは思ってますし、であれば、アメリカ様の言うことには、少々、理不尽でも従わざるを得ないのでは・・・と。

どちらにせよ、今の日本は右も左も極端な感情論ばかりで、泥をすすることになっても・・・・という現実感がないのが問題かと。
Commented by gakis-room at 2006-12-12 12:48
日本が先制攻撃する可能性と,日本が先制攻撃される可能性とでは,どちらにリアリズムがあるかという問題かなと思っています。


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