2006年 10月 06日
参議院あるいは二院制とは何だろうか
参議院選挙区選挙の1票の格差を巡って,最高裁大法廷は4日,合憲の判断をしました。争われていたのは,前回の04年7月の選挙で,この時は1票の格差が5.13倍でした。合憲とした最高裁の判断の趣旨は以下の2点です。

1.01年の選挙時について合憲としたが,その時の格差は5.06倍であった。04年の5.13倍とはほとんど変わらない。
2.国会は前回の最高裁判断後に4増4減の定数是正をして,現在は4.84倍になっており,定数配分規定として憲法違反に至っていない。

最高裁は01年の選挙についての判断(04年)で,「都道府県単位の選挙区と定数の偶数制は『相応の合理性がある』」としています。これを前提とすれば,私には参議院選挙区の定数と1票の格差の問題は永遠の解けない課題のように思われます。

なぜなら,現在の参議院選挙区の定数は146,3年ごとに改選されますから,1回の選挙での改選数は73です。選挙区は47都道府県を単位として行われますから,73−47=26を人口の多い都道府県に配分することになります。

しかし,1票の格差ゼロを理想とすると,人口が最少で約60万人の鳥取県の定数1に対し,人口約1200万人の東京都だけでその定数は20になります。ある試算によると,格差をゼロにするには選挙区の定数を現行の73(総定数は146)から3倍近い200以上(総定数は400以上)にしないと,格差をゼロにはできません。

参議院の扇議長は,4増4減の定数是正を「小規模の改正」とし、今年2月,参院各会派でつくる参院改革協議会に,2010年の参院選に間に合うよう抜本改革案の検討を指示しているそうです。

はたして都道府県を単位として上で,1票の格差を限りなくゼロに近づける改革案はあるのでしょうか。格差ゼロを前提にすれば,都道府県を単位として,現在の参議院の定数を3倍以上にするか,逆に都道府県単位を廃止して複数の県を合区するか,ブロック制にする以外にはないようです。あるいはアメリカの上院が1票の格差を全く問題にしないように,参議院に現行とは異なる意味づけをすることもできます。

いずれの場合でも,二院制とは何なのか,あらためて考えて見る必要があるように思われます。これまで言われてきたように第2院(参議院)は「良識の府」として第1院(衆議院)の行き過ぎをチェックするという理念は,昨年の郵政解散で完全に破綻してしまっているのですから。
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by gakis-room | 2006-10-06 06:44 | つれづれに | Trackback | Comments(2)
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Commented by YUKI-arch at 2006-10-06 07:33 x
都道府県制度という枠組みが、実態とそぐわない。
町村合併をくり返していますが、様々なところにひずみがでていますね。
選挙区制度を取り繕いしても、破たんしていますね。
Commented by gakis-room at 2006-10-07 06:41
衆参では全く異なる選挙方法,たとえば,参議院は比例代表だけにしたらなんて考えてみました。もっともこれは単なる思いつき,酒の宛にしか過ぎませんが(笑)。


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