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2006年 10月 03日
10月3日は韓国の神話世界での建国の日
安倍首相の中国,韓国訪問はどうやら実現しそうです。麻生外相は日程の問題を残すだけだとしています。「歴史認識」あるいは「靖国神社参拝」についてどのように折り合いをつけたのか,気になるところですが今のところ不明です。

近現代史の歴史認識は政治・外交にとって時として現実的課題になりますが,古代史,特に神話世界になるといたってのどかです。きょう10月3日は神話世界での韓国の始祖檀君(だんくん,タングン)が史上最初にクニを創建したとされる日,「開天節」で休日です。

檀君の即位は紀元前2333年,今から4339年前のこととされています。ですから,4339を四捨五入しないで,切り上げて「韓国五千年の歴史」といったり,さらには「韓国半万年の歴史」といったりします。

聯合ニュースによると,この日,ソウル市内で行われた開天節記念式で韓明淑(ハン・ミョンスク)首相は「いかなる国もわれわれの歴史を歪曲(わいきょく)するこはできず,そうした動きを座視してはならない。わが領土と歴史主権を守っていく」

さらには「檀君の開国精神を継承し実践するための道は遠く険しいが,苦難と試練を乗り越え底力のある民族として今ほど歴史上国力が大きかったことはない」と述べたと伝えています。

北朝鮮でも祝典があるようで,聯合ニュースによると,3日の平壌放送は,「5000年という長い歴史とともにひとつの民族として生きてきた自尊心を持ちつつ,民族が一丸となって自主的に祖国の統一を早期に実現しなければならないと強調した」と伝えています。

北朝鮮の「5000年」は「開天節は檀君神話に基づく建国記念日」ではなく「史実の記念日」です。北朝鮮ではかつては「檀君(の存在)は歴史的事実ではなく,支配階級が人民の階級意識を麻痺させるために操作したもの」としていましたが,1994年に「檀君の墓」なるものを発見し,さらにはその中から出てきた人骨が「檀君本人のもの」と確認されたと言いだしました。


公的には「金日成主席と金正日総書記が檀君民族の歴史を変えて下さった」として,1994年10月に檀君陵を完成させ,12月に初めて「檀君祭」を行いました。1995年からは開天節当日に「檀君祭」を行い,1997年になると開天節の記念行事を公式に開催,現在に至っています。

私は「お好きなように」と笑ってしまいますが,この国でも最近,「神武天皇以来126代,2600年の歴史は日本の伝統と文化」などと本気で発言している人がやたらと目に付きます。こちらは笑っている場合ではなく,現実的な危険です。

by gakis-room | 2006-10-03 18:47 | 韓国あれこれ | Comments(3)
Commented by 高麗山 at 2006-10-03 20:47 x
韓国で、人と話をするときに、「竹島(独島)」と「壇君」の話が出た時には、酒席であっつても相当緊張して、話をする必要があります。”正直な”な話も、”揶揄的”な話も、その場の雰囲気を壊す結果が多いですから!
Commented by 高麗山 at 2006-10-03 21:01 x
《続》 日本でも、神武や2600年の話題になると、目の玉をひん剥いて、話してくる”若者”が結構多いことにも、驚かせられます。
Commented by gakis-room at 2006-10-04 07:31
高麗山さん,
韓国人が「竹島(独島)」については,総じて「反日」と言うよりも突然にウルトラナショナリストになることはよく分かりますが,「檀君」について緊張するということはどういうことでしょか。


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