2006年 09月 21日
安倍政権にも期待ができない最重要課題の解決
自民党総裁に安倍晋三氏が選出されました。就任の記者会見で内政については,臨時国会で「教育基本法の改正」を最重要法案とし,「テロ対策特別措置法」の延長でも成果を上げたいとしています。また,「消費税の引き上げに」ついては「歳出削減に全力を挙げるべきだ」,「私は(消費税率)を上げないと言ったことはない」と述べています。

私の感想は,この政権もだめだなというものでした。私にとって,最重要の内政問題は事実上破産状態になっているこの国の財政をどうするかということだけです。普通国債の累積残高の538兆6000億円をどうするのか,安倍氏に限らず,なぜ政治家はこの問題の解決のプログラムを提示しないのかあまりにも不思議です。

普通国債の累積残高    538兆6000億円
国民1人あたり      422万円の借金に相当
06年度の租税収入をすべて国債返済に充てた場合
             538兆6000億円÷45兆9300億円=11.7年
財源の不足を補う赤字国債(返すあてのない国債)の05年度末の残高
             258兆7000億円(前年度より25兆8000億円増)
06年度のプリマリーバランス
             租税収入−国債返済分を除く歳出=−15兆300億円

プリマリーバランスの赤字分は国債の累積残高に新たに加算されます。政府は2010年代の早い時期にプリマリーバランスを黒字にしたいといっているので,それまでは国債の累積残高は増え続けます。ただし,国債の新規発行高が国債返済分を下回ればその分だけは国債残高は減少します。

これはもう,歳出の削減だけで処理できる領域を遙かに越えています。歳出削減を徹底し,赤字国債の発行高を減少させるとともに,増税をはかる以外に解決の見通しはあるでしょうか。

安倍氏は「消費税の引き上げ議論は来秋以降」と言っていますが,税制の見直しの中に,法人税の見直しもあるのでしょうか。
 ※法人税率(一律)の変移
   1984年  43.3%
   1988年  42.0
   1990年  37.5
   1998年  34.5
   1999年  30.0
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by gakis-room | 2006-09-21 19:34 | つれづれに | Comments(12)
Commented by 高麗山 at 2006-09-21 21:55 x
財政問題は、天文学的数値なので又の機会にします。
安倍氏が、かなり以前から、父親の遣り残した“教育問題”として種々の点を挙げて来ました。ざっと記憶しておいたのを挙げると。
①徳育の重視   「国を愛する…」
②達成の義務化  「目標の、法的義務化」
③学校、教師の評価制度の導入…… 学力、学校管理運営、生徒指導の状況を、監察官が評価。
④「国が危機に瀕したときに命を捧げるという人がいなければ、この国は成り立っていかない」
⑤その他、候補に立ってからのここ暫くの発言。
餓鬼さんが、言うように、”日教組、かつての社会党”の不甲斐なさは認めざるをえませんが、”親子二代にわたって”ジックリ手をつけて来るのには、「此岸」に踏み留まる意外に道は無いと、心を決めました。
Commented by Count_Basie_Band at 2006-09-22 05:16
>増税をはかる以外に解決の見通しはあるでしょうか。

ないでしょう。国家公務員の数を半分にしたって、参議院を廃止したって浮いてくる金はしれています。
メディアやワイドショー用経済評論家がいう「金持ち」には年収2,000万、住宅ローン3,000万の「債務超過家計」は含まれる一方、私の数百倍の預金を国内外に持っていながら、所得が発生しないためミニマムの税金しか払っていない人は含まれません。所得しか見ないのです。
この種の家計、本物の金持ちの数は「高所得・債務超過」家計と同程度ではないかと私は見ています。「金持ち喧嘩せず」と同じく「金持ちバクチョせず」で、この人たちはリスクのある金融商品に手を出しません。その代わり、超高級欧州ブランド、世界一周クルージング、モーツアルト誕生250年祭に群がっています。
社会主義における「富の再分配」という発想ではなく、国家が泡ゼニのウワマエをはねるという発想でこの税源にも眼向けるべきではないでしょうか。そもそもは国土の価格をメチャメチャに吊り上げてサヤを抜き、誰かにババを掴ませて逃げ切った人たちとそのジュニアたちなのですから。国土をカタにバクチを打って勝ち逃げしたのですから...
Commented by Count_Basie_Band at 2006-09-22 10:36
さてgakis-room様ご指摘の法人税ですが、こちらの税収はこのところ増えているようです。企業業績が伸びている上、税効果会計で繰り延べされてきた分が納入され始めたからです。一方で所得税の税収は減少しています。皆様ご承知の通り、実に分かりやすい現象です。「偽装請負」に代表される労働搾取の結果です。
これをどう扱うかで新政権は誰の味方であり、日本経済がどの方向に向かうかが明らかになります。
Commented by Count_Basie_Band at 2006-09-22 10:36
単純に法人税率を引き上げようとすれば財界は政権の資金源を絞ると脅しを掛けてくるでしょう。それを押し切って増税を強行すれば企業は労働搾取は一層推し進めるでしょう。先に待っているのは人心の荒廃、治安の悪化、日本の信用低下、資本の国外流出です。
法人税率の引き上げは雇用システムの監視とセットにしなければなりません。
新政権がそこまで理解し、実行できるかどうか、正直、悲観的にならざるを得ません。
ではそうした政権を国民が退場させられるかどうか、これはもっと可能性が低いでしょう。新たに総理になる男も、韓流スター、ハンカチ王子レベルの人気を得ているようです。
その上、文筆言論を業とする人々の中に小泉竹中の暴政、不作為を讃美する声が少なくないのです。
数年前「日本ポルトガル説」「日本大英帝国論」というのが少し流行ったと記憶しますが、いよいよ現実味を帯びてきましたね。一旦は世界を制しながら、落魄してイワシやタラで酒を飲むだけのグータラ国へ...
Commented by gakis-room at 2006-09-22 18:05
高麗山さん,
>「此岸」に踏み留まる意外に道は無いと
ああ,良かった。閑居して不善を為すのであれば,1人よりも二人の方が酒も美味しくなりそうですから。
Commented by gakis-room at 2006-09-22 18:28
Count_Basie_Bandさん,「国家が泡ゼニのウワマエをはねる」ことには賛成ですが,しかし,国家をしてそうなさしめる才人は残念ながらちょつと見あたりません。確かサラリーマンの「恒久的減税」は法人税の減税とセットであったはずなのに,この程度のことすらあいまいにされてしまうのですから,ましてや泡ゼニのウワマエをはねるなんて…
昨年の総選挙以後,じわっと押し寄せてくるツケをワリが合わないと思いながら,なおしばらくは呪詛をビールで飲み込む日々が続きそうです。
Commented by Count_Basie_Band at 2006-09-23 05:53
>呪詛をビールで飲み込む日々が続きそうです。

老齢者控除の廃止その他で税金急増、さらに国民健保税の上限が20万引き上げ。私には上限適用。泡ゼニの息子たちはミニマム。
ジムでトレーニングマシンに八つ当たりし、日本酒で呑みこんでいます。
Commented by gakis-room at 2006-09-23 11:03
飲む口実にはいつだって苦労はありませんが,上手い酒を飲みたいものです。
Commented by saheizi-inokori at 2006-09-23 13:48
特殊権益層とでも呼ぶべき人たちによる日本乗っ取り作戦もいよいよ佳境に入る気配ですね。アメリカの後塵を拝して。教育に手をつければ心のハイジャックが完成です。
Commented by gakis-room at 2006-09-23 19:00
と言うことであれば,さてさて,党人事と組閣はこの上なく注目されます。「日本乗っ取り作戦」,「心のハイジャック」の進行度合いが推し量られます。
Commented at 2007-06-09 16:57 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by gakis-room at 2007-06-09 18:05
とおりがかりさん,
>嫉妬、醜いぞ!
意味を推し量りかねています。


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