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2006年 07月 01日
金英男氏の失踪地点と周辺の地図
横田めぐみさんの夫とされる金英男(キム・ヨンナム,45)さんは1978年夏,「全羅北道群山仙遊島(チョンブク・クンサン・ソンユド)海水浴場の沖合で小舟に乗って漂流している途中,大海に流れてしまい,北朝鮮船舶の救助を受けて北朝鮮入国することになった」と29日に主張しています。
金英男氏の失踪地点と周辺の地図_d0006690_16545136.gif
これに対して朝鮮日報と中央日報は,仙遊島現地住民と海洋専門家らは海水の流れ,地形などを考慮した場合「英男さんの主張は実現の可能性が希薄だ」と報じています。以下は中央日報の記事です(地図は朝鮮日報による)

「生まれてからずっと暮らしてきたという仙遊島住民のキム・ドクス里長(61)は『仙遊島が属する古群山(コグンサン)群島には末島(マルド),明島(ミョンド),防築島(パンチュクド)など30の有・無人島がある』とし『仙遊島から漂流すれば引き潮のときは西南の方である扶安郡(プアングン)の蝟島(ウィド)の方角,満ち潮のときは東である群山の方に流れることあるが,島が多くてルートをふさがれる格好になる北の方向に流れることはほとんど不可能だ』」と言った」

「漁村係長のソ・ドンスさん(42)も『いかだが海水浴場から出たとして,周辺の島に着くことはあっても大海原に出ることはない』とし『事件当時,群山から避暑に来た高校生が失踪したという話は聞いていたが,数日後,ナムアムリ海水浴場周辺で北朝鮮工作員たちに拉致されたといううわさが流れた』と言った。

「群山大学のイ・サンホ教授(51,海洋学科)は『潮は6時間ごとに満ち潮,引き潮と変わるので,どこに漂流するとしても出発地から5キロ以上は進みにくい』とし『仙遊島から5キロであれば古群山群島の外に出ることはできない』と指摘した。『小舟に乗って北朝鮮海域まで行こうとすれば,少なくとも1カ月近くかかる』とし『仙遊島周辺は夏場なら北に行く流れが微弱で,これは事実上可能性が稀薄な話』と話した」

地図を見る限り,韓国漁船等に見つかることなく,遙か北方の北朝鮮海域まで漂流することは難しそうです。仮に,漂流したことが事実で合ったとしたら,古群山群島(仙遊島を含む30の有・無人島の総称)まで北朝鮮の船が入り込んでいたと考えるのが自然のように思われます。

by gakis-room | 2006-07-01 17:19 | 韓国あれこれ | Comments(2)
Commented by 高麗さん at 2006-07-02 00:28 x
またまた、お節介します。[全羅北道群山郡仙遊島]と表記した場合は、[チョンブク]と略しません。現地の人には、通じますが、”イルボンサラミ”には理解し難いと思います。
チョンナム、チョンブク、ホナム、等はカタタカナ表記も難しいのですが”チョンラプックトゥ”ともなるのでしょうか?
Commented by gakis-room at 2006-07-02 12:14
ご指摘の通りです。カッコの部分は中央日報からの引用ですが,原文は「全羅北道」ではなく「全北」でした。それで「全北」では分かりにくいかなと思い,「全羅北道」と勝手に訂正しましたが,読みのカタカナ部分を「チョンブク」から「チョンラブクド」とするのを忘れました。


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