2006年 03月 20日
ここまで6戦全勝のと快進撃を続けてきた韓国は日本に0−6で敗れました。イチローの「30年」発言に過剰に反応し,これまで日本に2戦2勝してきたことを背景に,イチローを揶揄してきた朝鮮日報の悔しさはひとしおでした。 19日の敗戦後に次のように書いています。「哀惜の念に耐えられない。いや,張り裂けんばかりの憤りさえ感じる。6試合勝って,たった一度負けただけなのに。口惜しさを胸にしまい,WBC韓国代表チームが見せてくれたこれまでの苦労に拍手を送りたい」 朝鮮日報が言うまでもなく韓国チームの活躍は目を奪うものがありました。特に日本に敗退するまでの6試合の防御率,1.33が示すように投手陣の活躍と,内外野の失策0に見られる守備力は見事でした。 それだけに,「4勝の日本と5勝のキューバとの決勝戦」と言いたくもなります。また,「変則的な組み合わせ」と,愚痴りたくもなります。確かに朝鮮日報が指摘するように,準決勝の組み合わせは「強いチームが優勝する」ようにはなっていませんでした。 朝鮮日報は言います。「ほとんどすべての国際大会では組を2つに分けて進行し,ベスト4が決まったらクロストーナメントで決勝に進む2チームを決める。しかし大会初めての年に無理に欲を出した米国は,同じ組のチーム同士を再び準決勝で戦わせる日程を採択した。2組の最強チーム、ドミニカ共和国に決勝戦まで会わなくて済むように,という意図以外に説明のしようがない」と。 クロストーナメント,つまり,A組の1位とB組の2位,B組の1位とA組の2位によって準決勝を行うのが国際大会に限らず普通のやり方です。WBC事務局がそうではなく変則的な組み合わせを採用したのは,WBC事務局の陰謀であると朝鮮日報はいいたいようです。 A組のアメリカが,優勝候補の筆頭で,全員が大リーガーによって構成されるB組のドミニカとの対戦を決勝戦までさけるためには今回のような変則的な組み合わせ以外にはありません。 アメリカ,ドミニカのどちらが優勝しても「大リーグが世界一」になるからです。はたして,今回の組み合わせがWBC事務局の陰謀であったかどうかは定かではありません。 しかし,敗れた韓国チームは立派でした。敗戦後は,まるで高校野球のように応援席に対して整列して感謝の意を表していました。とてもさわやかでした。また,再三の美技を見せた右翼手イ・ジンヨン選手は敗戦後 「日本には絶対勝ちたかった。でも思い通りには行かなかった。実力で及ばず負けた。今度は必ず勝ちたい。今大会でファンのみなさんが送ってくださった声援に感謝している」 と語っています。 キム・インシク監督は「これまでの7回の試合中、負けたのは1度だけだが,負けは負け」とした上で,「ここまで来ることができたのは,選手たちがよく闘ってくれたからだ。選手たちに本当にありがとうと言いたい」 と選手を賞賛しました。 先発,押さえと大奮闘したパク・チャンホ投手の言葉は特に印象的です。 「できれば大塚やイチローなど親しい選手の多い日本が頂上に立ってくれればと思う。彼らは私とは国籍は違うが、トップになるため同じ道を歩んでいる選手たちだ」 韓国が決勝進出していたとしたら,いつもの冷静さとは違って,感情を隠さず出し続けたイチローも,パク・チャンホ投手と同じこと言ったのではないかと私には思われます。
by gakis-room
| 2006-03-20 23:28
| 韓国あれこれ
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Comments(6)
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heitaroh at 2006-08-17 19:37
私はこのとき、日本代表が日本国民から、強く支持されたのは、世界一になったからだけではないと思っています。
ナショナリズム的な物よりも、シーズン前にも関わらず、全力で後先のことを考えずにプレーしている姿に感動したのだと思います。
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gakis-room at 2006-08-18 06:54
少なくともほとんどの選手が準備を怠らなかった,そこがサッカーのWCとの違いかもしれません。つまりはプロ意識を感じさせました。
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Count_Basie_Band at 2006-08-18 10:57
日本プロ野球のスプリングキャンプは体操と散歩から始まります。
メジャーは初日から紅白戦です。キャンプ前に身体を作っておくことは契約上の義務なのです。 WBCの成功はメジャーと同じ条件を選手に求めたことにあると思っています。 しかし日本プロ野球の来春のキャンプは相変わらずなんでしょうね。 マツザカよ、サッサとメジャーへ行きなさい。一度しかない人生、無駄にするんじゃないよ。結果は結果。先の読める人生の何が面白いっていうんだ?
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gakis-room at 2006-08-18 22:15
プロ野球だけじゃないと思います。高校野球もそして他の運動部もランニングと体操から練習が始まるのだと思います,多分! グラウンドに来た者からさっさと体操なり,ストレッチなりを始めればいいのに,監督なり,コーチなりが「集合」との声をかけるまでおしゃべりをしているように思われます。うがちすぎですかね。
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Count_Basie_Band at 2006-08-19 13:25
>監督なり,コーチなりが「集合」との声をかけるまでおしゃべりをしているように思われます。うがちすぎですかね。
いや、そうだと思います。「指示待ち」です。裏を返せば、いちいち「指示」しなければ監督コーチは失職するかもしれません。 新任の「惜しむ」は選手たちのそうした「指示待ち」体質を叩きなおそうとしているように見えます。
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gakis-room at 2006-08-19 18:05
オシムがどれだけ選手を変えられるか,というよりも,あちこちから招集された選手が,オシムに触発されてどれだけ自己の意識を変えられるかという問題ですね。
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