2016年 07月 14日
無知か本気か,自民党東京都連の通達
東京都知事選で自民党は17年振りの分裂選挙になりました。17年前の東京都知事選の有力候補は,自民・公明の推薦する明石康氏と民主党推薦の鳩山邦夫氏,無所属の舛添要一氏,そしてこの4年前に「日本の政治はダメだ。失望した」として議員辞職した石原慎太郎氏でした。この選挙で自民党推薦候補ではない石原慎太郎氏を応援した東京都連の一部に自民党衆議院議員がいました。石原伸晃,つまり現在の東京都連会長です。

その石原伸晃都連会長が都連幹事長と党紀委員長との三者連名で,11日に「地域総支部長・選挙区支部長・各級議員・地域総支部長・選挙区支部長・各級議員宛てに発した通達です。題して「都知事選挙における党紀の保持について」。内容は以下その3点です。

1、党員は、党の決定した公認・推薦候補者を応援し、党公認・推薦候補者以外の者を応援してはならないこと。
2、党員は、反対党の候補者を応援し、または党公認・推薦候補者を不利に陥れる行為をしてはならない。
3、各級議員(親族等含む)が、非推薦の候補を応援した場合は、党則並びに都連規約、賞罰規定に基づき、除名等の
  処分の対象
となります。

7月11日付けの文書ですから,この段階では鳥越俊太郎氏は立候補表明をしていませんから,有力な候補予定者は増田寛也,小池百合子,宇都宮健児の3氏です。民進党はただおろおろしているばかりのようでした。増田氏を推薦した自民党都連にとって,過去2回の選挙実績から宇都宮氏を強敵とは思ってはいないでしょうから,この通達は小池氏を念頭においたものだと思われます。その小池氏に対して「親族を含む」応援を禁じるほどに危機感を持っていたのでしょうか。それほどまでに焦っていたのでしょうか。テレビでは御用コメンテーターも婉曲に,しかし,あからさまに増田氏へと誘導していましたが。

私は「親族を含む」応援を禁じる前に,自民党東京第10支部支部長の小池氏本人に「立候補したら即除名」の通知をしたら良さそうなのにと思いますが,不思議なことにそれはしてはいないようです。

ところで,この異様な「親族を含む連帯責任論」は明確に憲法13条に反するものであり,論としては封建社会の遺制でしかありません。
  憲法13条  すべて国民は個人として尊重される

この13条に無知でなければ,「親族を含む連帯責任論」は本気なのかも知れません。自民党改憲草案第13条では尊重されるのは「個人」ではなく,「人」に変えられています。
  自民党改憲草案第13条  全て国民は人として尊重される

「個人」が「人」一般に拡散されているだけでなく,改憲草案第24条では以下の条文が新設されています。

  第24条  家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として,尊重される。家族は,互いに助け合わなければならない

個人を家族のなかに落とし込み,その連帯責任を問うとは,この党にとっては無知ではなく本気なのかも知れません。
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by gakis-room | 2016-07-14 18:00 | つれづれに | Trackback | Comments(4)
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Commented by saheizi-inokori at 2016-07-14 21:41
こういう至極もっともな事柄がからかいの対象としかなっていない。
からかうことで、俺も気がついてはいるよ、といってみせ、さればとて真っ向からの異議申し立てはしない。
当の小池も含めて、というところに、ここまで腐ったかという日本の政治・言論・メデイアの惨状をみます。
日本会議のような反知性的組織が日本を乗っ取りやりたいことをやる。
なんとかしなければと思うのみ。
Commented by gakis-room at 2016-07-15 07:12
saheiziさん,
なんだかやるせなさだけが残ります。
Commented by saheizi-inokori at 2016-07-15 10:05
私も書きます。
リンクさせてください。
Commented by gakis-room at 2016-07-15 10:34
saheiziさん,
ご丁寧に恐縮です。
どうぞどうぞ。


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