2005年 11月 25日
皇室典範の改正は国民投票で
24日,「皇室典範に関する有識者会議」の報告書が小泉首相に提出されました。内容の中心は皇位の継承について,現行の男系男子から第1子優先とするものです。小泉首相はこれを受けて来年の通常国会に皇室典範改正案を提出したいとしています。

報告書は「歴史観,国家観,哲学を入れさせない」で純粋に皇室を安定的維持するルール作りだけを考えた結果ということです。象徴制を含めて天皇制が必要であるかどうかの議論はさておくとしても,私はこれについて二つの感想を持ちました。

一つは「皇室典範」という名称をまず変えるべきだと思いました。皇室典範は大日本帝国憲法が発布されたときに同時に作られたものですが,これは公法ではなく,主権者である天皇家の私法であり,議会,国民の関与すべきものではないとされました。

旧皇室典範は現憲法が施行される前日の1947年5月2日に廃止され,現憲法のもとでの新皇室典範は国民主権の原則から国会の議決事項になりましたが,名称は戦前をそのまま引きずって「皇室典範」が残されました。私見では「皇室法」であるべきのように思われます。

天皇主権を引きずっているものとしては,文化の日(天長節→明治節=明治天皇の誕生日)や勤労感謝の日(天皇家の神嘗祭),春分の日(春季皇霊祭),秋分の日(秋季皇霊祭)などが考えられます。

今ひとつは,小泉チルドレン83人を含む来年の通常国会に法案提出・成立をめざすのではなく,長期の審議を確保すべきものであるように思われます。それは女性・女系天皇に慎重であるためではなく,皇室典範が実質的にはじめて国民,国会の議論の対象になるからです。

さらに国民,国会の議論と併行して国民投票法案の作業を行うべきです。憲法改訂ではないにしても,憲法秩序の改訂に相当する皇室典範の改正は最終的には国民投票できめることが,私には国民主権主義のように思われます。皇室典範の改正を急ぐ必要はさらさらなく,1年,2年をあるいはそれ以上をかけてもいいように思われます。
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by gakis-room | 2005-11-25 08:43 | つれづれに | Comments(0)


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