2014年 05月 22日
安全性と電気代の高い低いとを同列で考えるのは法的に許されない,福井地裁の「原発差し止め」判決
福井地裁は21日,関西電力大飯原発3,4号機(福井県おおい町)について,「運転差し止め」の判決を下しました。新聞では,判決文の全文はもちろんのこと,その要旨も見ることはできません。それで,朝日新聞の記事で引用された判決文の部分をもとにすれば,その論旨は以下のようです。

【判断基準】
(国が「世界最高の水準」とする新規制基準について)
新規制基準への適否ではなく,福島事故のような事態を招く危険性があるか(を判断基準とした)

【大飯原発の危険性】
(関電は大飯原発の基準地震動を700ガル〔地震の揺れの大きさを表す〕とし,大飯原発はその1.8倍の1260ガルに達しないとメルトダウンは起こらないとしているが,2006年6月14日の巌家宮城内陸地震の4022ガルをはじめ,これを超える地震は東日本大震災を含めて5回原発を襲ったことを指摘して)
1260ガルを超える地震は来ないとの,確実な科学的根拠に基づく想定は音来的に不可能

【人の生存の価値の高さと電気代の経済性と同列に考えるのは法的に許されない】
関電は。原発の稼働が電力供給の安定性につながるというが,きわめて多数の人の生存そのもののに関わる権利と電気代の高い低いの問題を並べた議論の当否を判断すること自体,法的には許されないと考える

きょう,関電は名古屋高裁に控訴しましたが,高裁がこの論旨に真正面から向き合うのか,それとも「新規制基準は妥当」とだけするのでしょうか,あるいはフクシマを経験した現在でも「原発のリスク(人の命と経済性の択一)は司法判断ではなく,政治の政策判断」とするのでしょうか。

以下は全国紙のきょうの社説の見出しです。それぞれの立ち位置がはっきりしています。産経と日経が触れていないのは,まだ方針を決めかねていると言うよりも,論理の構築がまだてきていないからでしょうか。

  東京  国民の命を守る判決だ 大飯原発・差し止め訴訟
  朝日  大飯差し止め―判決「無視」は許されぬ
  毎日  大飯原発差し止め なし崩し再稼働に警告
  読売  大飯再稼働訴訟 不合理な推論が導く否定判決
  産経  ー触れずー
  日経  ー触れずー
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by gakis-room | 2014-05-22 18:30 | つれづれに | Trackback | Comments(2)
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Commented by saheizi-inokori at 2014-05-22 20:06
こんなに真っ向からまともなことを言われたらなまなかな屁理屈は言いにくいかもしれないですね。
Commented by gakis-room at 2014-05-22 23:11
saheiziさん,
名古屋高裁のエリート判事が担当して,「専門家による最新の研究成果に基づく新規制基準は妥当」,こんな所でしょうか。


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