2005年 08月 11日
小泉首相とリンチ
小泉首相は,9月11日の総選挙で多数派になれなければ退陣すると明言しました。私にはこの発言は退路をたった潔さには見えません。むしろおぞましさを感じます。私は以下のように整理しました。

参議院で否決された郵政民営化法案を修正なしで成立させるためには,衆議院で三分の二以上の多数で再議決するしかありません。しかし,衆議院での実情からは再議決は無理でした。そこで,衆議院で郵政民営化法案を再議決すべく衆議院での三分の二以上の議席獲得を目指して手続き無視で衆議院を解散した,となるべきです。それなのになぜ三分の二ではなく過半数なのでしょうか。

9月11日の総選挙の結果,連立与党が衆議院で三分の二以上ではなく過半数を獲得しても,参議院に変化がなければ郵政民営化法案は成立しません。しかし,参議院に変化が起これば別です。この選挙を通じて反対派に非情な弾圧を加えれば,その恐怖は参議院にも確実に伝染します。参議院に「後悔した反対派」が増えれば,衆議院での過半数で十分です。私はここにおぞましさを感じます。反対から賛成への理由は「民意に従った」ということになります。

私には小泉首相の人間性には関心はありません。自民党の自己否定宣言こそが問題のように思われます。今回の両院での採決にあたって自民党に「党議拘束」があつたということを前提すれば,反対派は自民党規約によって処分されるべきです。自民党規約ではその処分を「党則の遵守の勧告」から、「除名」まで8段階に分けています(党規律規約第9条2項)。つまり,総選挙での非公認以前に近代的組織として自らの党則に従って除名などの手続きをするべきでした。

自らの党則を無視した反対派への対応,これは政党としての自己否定宣言でなければ,小泉個人の反対派へのリンチ(私刑)です。小泉首相の「ぶっ壊す」発言は有名です。しかし,自民党は小泉首相によってではなく,自壊する道を自ら選びました。私にはそのように見えます。
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by gakis-room | 2005-08-11 08:08 | つれづれに | Trackback | Comments(0)
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