2011年 12月 08日
70年目の12月8日に
8月15日には関心があっても12月8日にはそれほどでもないのはなぜだろうかと思います。死を強いられた人々について,「尊い犠牲のうえに戦後の平和と繁栄がある」とは聞き慣れた表現ですが,何故に犠牲を強いられたのか,その原因もいつまでも記憶されるべきことのように思います。そこに至る過程がなければ,死を強いられることはなかったはずですから。

8月15日に靖国神社に集う人たちは,死を強いるきっかけとなった12月8日(日米戦争に至る真珠湾奇襲の日)あるいは9月18日(満州事変の発端となった柳条湖事件の起きた日)や7月7日(日中全面戦争の導火線となった盧溝橋事件の起きた日)になぜ集わないのでしょうか。私には不思議なことです。

きょうの朝刊の社説で12月8日を取り上げていたのは全国紙では産経新聞だけでした。もっとも朝日新聞と毎日新聞は昨日に掲載されていました。

地方紙では「新聞コラム社説リンク」で見ることのできる69社のうち,社説(社説をもたない地方紙もありますが)で12月8日を論じたのは10紙(中日新聞系の東京新聞は同一社説)でした。以下,新聞名と標題です。

 産経新聞    日米開戦70年 日本人自らの目で検証を 同盟強化こそ平和を守り抜く
 東京新聞    軍国少年からの忠告 日米開戦70年に考える
 神奈川新聞   日米開戦70年 過去に学び確かな礎を
 信濃毎日新聞  日米開戦70年 「なぜ」を問い続けよう
 新潟日報    過去に学び確かな礎を
 中日新聞    軍国少年からの忠告 日米開戦70年に考える
 中国新聞    日米開戦70年 責任問い続けなければ
 四国新聞    日米開戦70年
 愛媛新聞    真珠湾攻撃70年 米追随でない主体的な外交を
 西日本新聞   日米開戦70年 「なぜ」を問い続ける意味
 琉球新報    真珠湾攻撃70年 絶えず過去を問い直そう

 毎日新聞    日米開戦70年 歴史から学ぶ政治を
 朝日新聞    真珠湾70年—危機の時代へ三つの教訓

面白いのは産経新聞です。きょうの社説は他社とは異色ですが,その産経新聞はこの2月から断続的に「日米開戦 70年目の検証」として11回のシリーズ特集を掲載してきました。このシリーズの論調はきょうの社説とは趣を異にしていました。12月3日の最終回の見出し「日本を滅亡させるバカげた戦い」に見られるように,対米戦争を指導者の「無定見と無責任」によるものだとしています。

このシリーズを担当した責任編集委員でしょうか,シリーズを終りを「歴史から学ぶ 明日への処方箋」と題して以下のように結んでいます。

「日本だけが悪いわけではない」「自衛戦争である」「自虐史観だ」などの苦言もいただきました。そういう側面もあ
りますが、300万人もの犠牲者を出したことは事実であり、避けなければならない選択だったと思います。
なぜ私たちは歴史を学ぶ必要があるのでしょうか。明日への処方箋が歴史に隠されているからです。70年前の最悪の
選択にも現代の日本の処方箋が隠されていると思います。(社会部編集委員 将口泰浩)

[PR]

by gakis-room | 2011-12-08 19:32 | つれづれに | Trackback | Comments(2)
トラックバックURL : http://gakisroom.exblog.jp/tb/15075767
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
Commented by saheizi-inokori at 2011-12-08 20:47
70年、遠い過去になってしまった。
産経の社説はなんか散漫な感じがしました。
Commented by gakis-room at 2011-12-08 22:44
saheiziさん,
最初に結論ありき,からなのでしょうかね。


<< 冬が来た,ちょっとおかしな装いで      「天地の気が塞がって冬となる」... >>