2010年 09月 27日
私の不機嫌,その2
日本政府は何をすべきであったのであろうか。毅然と処するとは,国内法によって起訴し,裁判をすべきであったということなのだろうか。海上保安庁の巡視船と中国漁船の衝突事件について,私の視点が定まらないのは,衝突が漁船船長の向こう見ずな蛮勇による偶発的な事件ではなく,「意図的なものであったとしたら」という仮説に対して答えられないからである。

この仮説は仮説故に成立する。意図的な領海侵犯であれば,先方は当然のこととしてその後のシナリオについて周到な用意をしているに違いない。こうした仮説は日本の政府,外務省にはなかったのであろうか。右往左往,ジタバタを繰り返す菅政権以前の政権は領海侵犯について方策の具体的なイメージをもっていたのであろうか。

この事件に対する政府の対応は悲惨極まりない。「わが国国民への影響や,今後の日中関係を考慮」しての漁船船長の釈放が那覇地検の判断だとは誰も思うまい。最悪のシナリオはなお継続されている。菅政権が擁護されるところは何もない。

弱腰外交,外交的敗北というのはいい。「粛々と国内法で処理する」をいとも簡単に翻した行き当たりばったりを非難するのもいい。しかし,「領海侵犯,巡視船と中国漁船の衝突」のこのとき何をすべきだったのだろうか。それとも問題はこの後の,中国漁船の船長逮捕,船長の拘置延長と釈放のどこかにあるのだろうか。さらには,船長を起訴,裁判にかけるべきだったのであろうか。

苛立ちは私自身に向かっている。今読んでいる「十字軍物語 1」(塩野七生著,新潮社)の冒頭は「戦争とは,諸々の難題を一挙に解決しようとしたときに,人間の頭の中に浮かび上がってくる考え(アイデア)である」で始まっている。
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by gakis-room | 2010-09-27 19:48 | つれづれに | Trackback | Comments(7)
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Commented by saheizi-inokori at 2010-09-27 22:04
全ての問題は菅、仙石、前原らの脳足りん、日本人の脳天気のせいだと思います。支離滅裂、これはまだまだ続く。
どうしたいのかが全くわからない。
状況にあわせてコトナカレ、御身大切な政権を倒さないと本当に戦争への道を粛々と進みかねないと思います。
Commented by gakis-room at 2010-09-28 07:52
saheiziさん,
長期的はもとより,短期的な見通しもないようですね。
Commented by gakis-room at 2010-09-28 07:53
フローラさん,
「もし他国が侵略してきたら」ではなく,この国に偏狭なナショナリズムが彷彿してくるのを恐れています。
Commented by gakis-room at 2010-09-29 09:32
フローラさん,
最近,頻繁に「国益」なんて言葉が使われています。
ちょっと身を引いてしまいます。
Commented by gakis-room at 2010-09-29 12:54
フローラさん,
最近の流行語とは思いませんが,安易に使われているような気がします。
安易な排他的なナショナリズムのように思われます。ちょっと危険な臭いがします。
Commented by gakis-room at 2010-09-29 17:52
フローラさん,
「中国に完敗」,「尖閣諸島に自衛隊の常駐を」というような論調は年代を問わないように思われます。
Commented by gakis-room at 2010-09-30 08:06
フローラさん,
少しイライラしながらも,注視していく以外にないようです。


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