2010年 09月 15日
そして「剛腕神話」だけが残った,民主党代表選挙
週刊朝日に田原総一郎の「ギロン堂」というコラムがあります。9月24日号のタイトルは「国民に根強く残る『小沢はワル』という思い込み」です。そこで彼は,菅,小沢の世論調査の大差は「検察が小沢氏をつぶすためにマスコミにリークした『小沢は汚い』『悪い政治家』という情報を新聞やテレビが氾濫させ,そのおびただしい情報から国民の多くが,そう思い込んでいる」からであるとし,「検察は事件の捜査には失敗したが,世論操作には成功した」と書いています。

確かに今回の民主党代表選挙関してはマスコミの「菅びいき」が目立ちました。私の購読している朝日と産経もそうでした。違いと言えば,産経は小沢も菅も民主党も全部悪いといったところだったでしょうか。

私と言えば,件の人が「救国の英雄」であるかのように期待する「剛腕」への危うさを感じていました。かつて,自民党の若き幹事長として総裁候補呼びつけて面接したときには「剛腕」ではなく,「傲慢」を感じましたが,彼への関心はほとんどありませんでした。細川内閣の影の主役の時も「党代表として,なぜ表に出ないのか」と,胡散臭くは思いましたが,それだけでした。

最初に否定的な感想を持ったのは,民主党代表として安倍自民党に勝利した2007年7月の参議院選挙の時でした。参議院第1党となった民主党代表は,その夜も翌日も所在不明でし。ウィキペディアによれば「主治医の指示で静養」したとのことですが,参議院第1党を選択した国民に対して,何のメッセージも伝えないリーダーとは何だろうかと思いました。

また,彼が生みの親とも言われる国会での党首討論に,民主党代表としては消極的であったように思われたのも,国民に語ろうとしない政治家という印象を強めました。「民主党には政権担当能力がないから」大連立をとの福田・小沢会談もありました。代表を辞任した後も幹事長として党の全権を掌握し続けました。政務調査会を廃止して民主党の中でのギロンはなくなったかのように見えました。また,自らに異を唱えた静岡県連を資金的に兵糧攻めにもしました。

彼は国民に直接語ることはほとんどなく,彼の考えはいつも彼の周辺の人々が忖度した「らしい」でした。このような「剛腕」に,私は危うさを感じても期待することはありませんでした。

国会議員票でかろうじて過半数を得た菅代表はこれからも右往左往,支離滅裂を重ねるのでしょうが,そして,民主党内の新自由主義は生き残りましたが,それでも「剛腕」に1度やらせてみたいとは思いません。とまれ,国会議員票の半分近くを彼は獲得しました。この200票は田原総一郎的評価から言えば,検察,マスコミに毒されなかった良識と言うことになるでしょうか。「剛腕神話」はなお健在するようです。
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by gakis-room | 2010-09-15 11:57 | つれづれに | Trackback | Comments(4)
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Commented by saheizi-inokori at 2010-09-15 23:30
分かります。
私も小沢が好きではありません。
でも言葉を使命を果たす道具としている人たちで
しゃべらない政治家
しゃべるけれど無責任なその場しのぎの言葉をまき散らす政治家
しゃべらない政治家が生涯で初めてしゃべる言葉を世の中に伝えるのが使命なのにそれをしないばかりか論理も何もないめちゃくちゃな言葉を公正中立な顔つきで大声でわめき政治家を抹殺する大手メデイア
これらの世の中に与えるリスクの内、私は菅とメデイアのリスクの方が大きいと思います。
軽くてアホだからどうにでもなる?とんでもない!
守るべき信念のない男がひたすら権力にしがみつきそれと保身を旨とする官僚、エリートメデイアが結託したらシャボン玉政権もおお化けするかもしれません。
いい意味ではなくて。
Commented by gakis-room at 2010-09-16 08:18
saheiziさん,
リスクの選択なのでしょうが,その判断が難しいですね。
まだ,迷いがないわけではありません。
Commented by saheizi-inokori at 2010-09-16 08:57
今朝の讀賣に桜田淳がgakiさんと似た趣旨のことを書いています。
小沢は「失われた二十年」のなかで一貫して政治の中心にいたのにもかかわらず発揮すべき影響力を発揮することはなかった。その意味では既に時代に取り残された政治家である。
と。
それにしても役者がいなさすぎますね。
Commented by gakis-room at 2010-09-16 18:16
saheiziさん,
読売の記事の紹介ありがとうございます。面白く読みました。

桜田淳がどの様な人物なのかは知りませんが,「小沢は権力を持ちたいが責任は取らない」類の政治家という趣旨には賛同できます。


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