2010年 04月 02日
「エッシャー展〜視覚の魔術師」を見る
d0006690_17101031.jpgエッシャー展が奈良県立美術館で開催されること知ったのは,昨年11月に兵庫県立美術館で「だまし絵」展を見た時です。

以来,楽しみにしていましたが,きょう,行って来ました。

エッシャーの代表作,80点を見ることができます。迂闊にも私はエッシャーは画家とばかり思っていましが,版画家です。しかも技巧に優れた版画家です。

彼の「だまし絵(トロンプ・ルイユ)」は余りにも有名ですが,若い頃は「平面の正則分割」に熱中します。それはイスラム建築の幾何学的装飾模様(彼は24歳の時にスペインのグラナダのアルハンブラ宮殿を訪れます)に魅了されて以来のことのようです。

平面の正則分割への関心は,やがて,二次元と三次元が交差する空間の錯視表現と発展します。

d0006690_17102448.jpgこうして,「だまし絵」のエッシャーに至ることになりますが,年代を追って展示される80点は彼の関心の深化と変移の歴史でもあり,「視覚の魔術師」誕生の過程でもありました。ちょっと疲れましたが,おもしろい2時間でした。

※写真はクリックすると拡大します。

d0006690_17103788.jpgおもしろいと思ったのはエッシャーの父,ジョージ・アーノルド・エッシャーです。彼は治水技術指導のためのいわゆる「お傭い外国人」として1873年(明治6年)から5年間,日本に滞在しています。そして,淀川,江戸川,利根川など各地の河川の改修工事を指導します。

1876年,九頭竜川の河口の防波堤設計のために福井県の三国湊(現,坂井市三国町)に滞在しますが,その折に小学校の設計もしています。それが木造五層8角形という奇抜なデザインの龍翔小学校(命名は旧福井藩主松平春嶽)です。
  ※(写真は「みくに龍翔館」のホームページから)

この小学校は1914年に取り壊されましたが,現在は外観が復元されて,総合郷土博物館であるみくに龍翔館になっています。

なお,同館では,エッシャーにちなんで1993年から「みくにトリックアートコンペ」を開催し,優秀作品を「トリックアートワールド」として展示しています。
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by gakis-room | 2010-04-02 17:11 | つれづれに | Comments(2)
Commented by saheizi-inokori at 2010-04-02 20:40
「ゲーデル・エッシャー・バッハーあるいは不思議の環」という分厚い本を買って読み始めたけれど到底理解できずに終わった苦い思い出があります。
Commented by gakis-room at 2010-04-03 07:44
saheiziさん,
数学者,版画家,作曲家。おもしろい取り合わせですね。
さてさて,saheiziさんに理解できなかったとはどんな本なんでしょうか。


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