2009年 12月 26日
「最高裁パンフレット」で知ったこと,裁判員制度
d0006690_17362861.jpg確率,5600分の1。裁判員に選ばれる確率です。くじ運の悪い私は今年も選ばれることはありませんでした。それでと言うわけではありませんが,最高裁判所発行の「裁判員制度 ナビゲーション」(以下,「最高裁パンフレット」)を読んでみました。表紙からも分かるようにイラスト入りで,分かりやすさに配慮した5部構成になっています。

 1 刑事裁判に関する基礎知識編
 2 裁判員制度に関する基礎知識編
 3 裁判員が参加する裁判・評議の具体的イメージ編
 4 裁判員の選任手続きの具体的イメージ編
 5 資料編

私が裁判員を「辞退」ではなく,「拒否」する理由についてはこれまで08年5月25日08年5月26日08年12月22日の3度書きました。簡単に言えば次の2点からです。

 1 裁判員を国民の義務とする法的根拠がない
 2 裁判員の守秘義務は憲法18条の「その意に反する
   苦役に服させられない」に抵触する疑いがある

ところで,「最高裁パンフレット」はこの2点については何も書いてありませんでした。それどころか,拒否した場合の「過料10万円」についても,「守秘義務違反の6か月以下の懲役または罰金50万円」についても何も触れていません。

これらについては「資料編」の「裁判員の酸化する刑事裁判に関する法律」(以下,「裁判員法」)の112条(拒否)と108条(守秘義務違反)以外にはありませんでした。

ところで笑ってしまったのは「裁判員法」の第1条では「(法の)趣旨」として

「この法律は、国民の中から選任された裁判員が裁判官と共に刑事訴訟手続に関与することが司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上に資することにかんがみ、裁判員の参加する刑事裁判に関し、裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)及び刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の特則その他の必要な事項を定めるものとする。」

と書かれています。「司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上に資することにかんがみ」としながら,平均的日本人なら「裁判所法」及び「刑事訴訟法」の「特則」なんて知るよしもありません。これからもわかるように「裁判員法」全113条は法的特殊用語が至る所にちりばめられており,この法自体が「司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上に資する」にはほど遠いこと,これが「最高裁パンフレット」を読んで知ったことです。

※写真はクリックすると拡大します。
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by gakis-room | 2009-12-26 17:48 | つれづれに | Comments(4)
Commented by ume at 2009-12-26 18:28 x
先日の拙ブログでも書きましたが、極めて口の軽い私にはとてもこんな大役引き受けられそうもありません。「探偵小説」が好きだったので、犯人当てにはけっこう自信がありますが、「わからん」ってのはダメなんでしょうか
Commented by 高麗山 at 2009-12-26 23:48 x
特別卑下も自慢もしませんが、極めて普通の日本国民と
自分自身を認知しています。
今も小六法を眺めています、まあなんと難解な文言でしょう、
裁判員裁判では、極めて平易な文言を用いられているとは聞き及びますが、先ずは、法律用語を平易な文言に直すことを新政権は心掛けてほしいと思います。
又、私が裁判員であれば傍聴者と同程度に聞き及んだことがらなら、酒のついでに先ずは喋ると確信します!
Commented by gakis-room at 2009-12-27 21:37
umeさん,
「探偵小説」,懐かしい響きです。今では死語でしょうか。

「わからん」ってのは「棄権」はないようですから,「推定無罪」になるのだと思います。被告人が完全無罪を主張した時にどうなりますかねえ。
Commented by gakis-room at 2009-12-27 21:39
高麗山さん,
>酒のついでに先ずは喋ると確信します
酒が入らなくても,私は喋ってしまう自信があります。


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