2009年 11月 03日
だまし絵の世界,兵庫県立美術館
昨日,行きたいと思っていながら,なんとなく行きそびれていた「だまし絵」の世界をようやく楽しんできました。平日の午前中で待ち時間はゼロでしたが,終了間近のためでしょうか,それでもたくさんの人出でした。ずいぶんの人気のようです。何でも開催51日目の10月15日には入場者が20万人を超えたそうです。これは兵庫県立美術館開館(2002年)の年の「ゴッホ展」以来のことだそうです。

d0006690_19192530.jpg「だまし絵」にはいくつかのパターンがることを知りました。

【その1 ダブルイメージ】
このチラシの絵がそうです。50種以上の果実,野菜,花で肖像を形作っています。この絵はどこかで見た記憶があります。

ミラノの人,アルチンボルドの「ウェルトゥムヌス(ルドルフ2世)」(1590年頃)です。果実その他は精密に描かれています。
※写真はクリックすると拡大します。


d0006690_19204544.jpg【その2 トロンプルイユ】
トロンプルイユとはフランス語で「目だまし」という意味だそうです。まさしくだまし絵です。

写真はネーデルランド人,ヘイスブレヒツの「静物−トロンプルイユ」(1663年)です。キャンバスからはがれかけた絵だけでなく,背景の板壁も含めて1つの絵の一部です。

板壁にこんな絵が掛けられていたら…。左上の肖像はヘイスブレヒツですが,もちろんこれも絵の1部です。このパターンは40点余が展示されていましたが,共通するのは精密なその技法です。

日本にも表装の部分も描いて,対象が画面の枠からはみ出すかのように描く技法があります,「描表装(かきびょうそう)」と言うそうです。河鍋暁斎の「幽霊図」は幽霊が画面(と指定された部分)から抜け出していて妙なリアル感がありました。

d0006690_1921145.jpg【その3】
このパターン名は何でしょうか。シュールリアリズムの1種でしょうか。どちらもこれまでにどこかで見たことがあります。

左はマグリットの「白紙委任状」(1965年)です。森の中を女性が馬に乗って歩を進めますが,手前の木と奥の木との前後関係を交錯させて,あり得ない異次元空間を作っています。

右はエッシャーの「滝」(1961年)です。滝の落下地点から水の流れを追っていくと元に戻ってしまいます。上下関係が交錯する異次元空間です。

他に横から見ると正しい画像が現れたり,真ん中に筒状の鏡を置くとその鏡に正しい画像が見られるものなどがありました。なんとも楽しい2時間でした。
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by gakis-room | 2009-11-03 08:46 | つれづれに | Trackback | Comments(4)
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Commented by saheizi-inokori at 2009-11-03 13:16
町の看板にもトロンプルイユはありますね。
窓から人が覗いていたりドアが半開きになって子どもが顔を見せていたり、、何べん見てもつい騙されてにやっと笑うのが楽しいです。
Commented by gakis-room at 2009-11-03 19:12
saheiziさん,
トロンプルイユの遊び心は素敵です。でも,技に自信がなければ,やりたくてもやれないですね。
Commented by tona at 2009-11-06 21:20 x
兵庫まで見に行かれたんですか!
どの絵も見たことがありますが、このように分類されると、分かりすいですね。トロンプルイユは写真のようです。
エッシャー展約3年前にきましたが、またこちらでやるそうです。
これは本まで買って熱心に見ました。
マグリットの絵も不思議です。

Commented by gakis-room at 2009-11-07 08:30
tonaさん,
阪神電車と近鉄奈良線が相互乗り入れするようになって,神戸へは簡単に行けるようになりました。もっとも私の町からは1時間45分ほどかかりますが…。

エッシャー展は11月16日まで横浜のそごう美術館でやっていますね。来年3月には関西でもあるようです。
楽しみにしています。


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