2009年 09月 26日
単なるノスタルジアだけからかも知れません。「カムイ外伝」を観てきました。その昔,私の本棚には「忍者武芸蝶 影丸伝」17巻,「カムイ伝」21巻とともに「カムイ外伝」の何冊かがありました。ともに白土三平の代表作の劇画です。40年近く前のことです。 「カムイ外伝」は封建制社会からの自由を求めた「カムイ伝」の二人の主人公,百姓庄助と忍者カムイのうち,カムイを主人公に「カムイ伝」のストーリーとは無関係にカムイとカムイを狙う「忍び」たちによる激闘だけを描いたものです。 なぜカムイは狙われるのか。カムイは「忍び社会」の掟への疑念から「忍び社会」を抜けます。つまり掟破りの「抜け忍」となります。「忍び社会」は「抜け忍」カムイを討つべく次々に刺客,つまりは「追い忍」をカムイにむけます。「抜け忍」カムイと「追い忍」たちとの死闘の連続,それが「カムイ外伝」です。 しかし,カムイは自由を永遠に得ることはありません。「カムイは闘う 未来を信じて」とは新聞広告のコピーですが,カムイには未来もありません。「カムイ伝」の時代背景は江戸中期,ないしはそれ以降ですから,「忍び社会」の掟はカムイの寿命よりも長く続くからです。 「抜け忍」を選択したカムイには,生きる意味もありません。ただ,生き続けるためだけに戦いを余儀なくされます。したがって,物語は「抜け忍」カムイと「追い忍」たちとの死闘の連続,技競べになります。白土三平の劇画のおもしろさの一つに「忍びの術」を科学的合理性装って説明しているところにあります。 カムイの必殺技,「変移抜刀霞切り」も「飯綱落とし」も合理的な説明があります。しかし,映画にはそうした説明は一切ありません。ワイヤーアクション,CG,特撮をふんだんに使ったアクション時代劇として楽しませてくれます。 しかし,やはりノスタルジアでしょうか。映画は「カムイ外伝」のうち「スガルの島」ベースに展開されますが,カムイ役の松山ケンイチにはさほどの違和感ありませんでしたが,女「抜け忍」スガル役の小雪には,原作のイメージとはちょっと違うなと思ってしまいました。 とはいえ楽しみました。しかし,それにしても私の本棚にあった「カムイ外伝」はもとより「カムイ伝」21巻と「忍者武芸蝶 影丸伝」17巻は誰かに貸したのですが,あれは誰だったのでしょうか。未だに返却されていません。 ※写真はクリックすると拡大します。
by gakis-room
| 2009-09-26 07:07
| つれづれに
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Comments(2)
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saheizi-inokori at 2009-09-26 10:15
カムイは自由を求めてどこに行ったんでしょうねえ^^。
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gakis-room at 2009-09-26 19:24
自分自身の中へ回帰?
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